19 付与と繰り越しの方法は、会社が決めていい(その4)
前回のお話のとおり、
有休の内訳は前年度繰越分と
今年度付与分の2種類があります。
そして、有休の消化は
前年度繰越分→今年度付与分
の順にしていきます。
どの会社でもこのようにしていると思いますが、
本書にも書いたように、このやり方に根拠はありません。
有休の消化は逆の順番でもかまいません。
これは会社が決めていいんです!
前回の例と同じケースで逆の順番にしてみましょう。
①付与・・・6か月→10日
②消化・・・10日-2日=8日
③付与・・1年6か月→8日+11日=19日
④消化・・・19日-9日=10日
⑤付与・・・2年6か月→2日+12日=14日(8日切り捨て)
①②③は同じです。
④は同じに見えますが、内訳が違います。
前回は
(8日+11日)-(8日+1日)=10日
でしたが、
今回は次のようになります。
(8日+11日)-9日=10日
持っている有休は前年度繰越分と今年度付与分に分割しますが、
消化分は分割しません。
そして、これを次のように組み替えます。
(8日-0日)+(11日-9日)=10日
つまり、前回とは逆に今年度付与分11日から消化して、
ゼロになったら前年度繰越分から消化するのです。
このケースでは、今年度付与分を消化しきれていないので、
前年度繰越分には手を付けません。
したがって、⑤では2年前の分は切り捨てなので、残った8日は切り捨てられます。
結果、今年度付与分の残り2日だけが繰り越されることになるのです。
(つづく)
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