和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/

65歳まで継続雇用の義務があるのはわかっていただけたと思いますが、無条件に全員を継続雇用しなければならないのでしょうか?

原則は全員ですが、必ずしも無条件ということではなく、合理的な条件を設けることができます(^-^)

具体的には次のようなものが示されています。
①意欲、能力等をできるかぎり具体的に測るものであること(具体性)
②必要とされる能力等を客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること(客観性)

(例)
○社内技能検定レベルAレベル
○営業経験が豊富な者(全国の営業所を3か所以上経験)
○過去3年間の勤務評定がC(平均)以上の者(勤務評定が開示されている企業の場合)

当たり前ですが、法令や公序良俗に反するものはダメです。(-_-メ
(例)
○会社が必要と認めた者に限る
(基準がないことと等しく、これのみでは本改正の趣旨に反するおそれがある)
○上司の推薦がある者に限る
(基準がないことと等しく、これのみでは本改正の趣旨に反するおそれがある)
○男性(女性)に限る(男女差別に該当)
○組合活動に従事していない者(不当労働行為に該当)

実務では、「具体性」と「客観性」を勘案しながら、自社に会った条件を検討することになりますが、会社が勝手に決めることはできません。
労使で話し合って、労使協定によって定めることになっています。

ただし、300人以下の中小企業については、労使の協議が整わない場合にかぎって就業規則に定めてもいいということになっています。

ただ、これも今年の平成23年3月31日までの暫定措置なので、現在就業規則に定めている会社は、4月1日以降について労使協定を締結しなければなりません(-""-;)
そうしないと、選定条件は期限切れで無効だとか言われて、本来継続雇用しなくていい社員から訴えられる可能性があります。

オーマイゴット\(゜□゜)/

つまらないトラブルにならないよう、きちんと対応しておきましょう!

ちなみに、この労使協定は労働基準監督署への届出する必要はありません。

(次回につづく)