和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/

前回、事業場外みなし労働時間制についてご説明しましたが、これは例外的な取扱いなので、活用は慎重にしなければなりません。
もしもみなし労働時間制と認められなかった場合は、通常通りの計算で残業代を支払うことになってしまいます!

オーマイゴットY(>_<、)Y

ではまず、みなし労働時間制と認められない場合をご説明しましょう。
明らかに認められないケースが3つあります。

①何人かのグループで事業場外労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働時間の管理をする者がいる場合
②事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
③事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合


①については、管理者が労働時間を把握できるので認められないのは当然です。
②については、現在では携帯電話が普及しているのでこれに該当してしまうこともあり得ます。
しかし、携帯電話を使って随時指示をしているのでなければ該当しないと考えられます。
③については、ルートセールスやアポイントを取って顧客を訪問するような場合は、これに該当してしまうでしょう。

この3つのパターンも、これらに該当すればみなし労働時間制とは認められないというだけで、これらに該当さえしなければ認められるというわけではありません。
実態として労働時間の管理が難しいということでなければならないのです(-""-;)

なので、みなし労働時間制を活用する場合は、本当に労働時間の管理が難しいのかどうかよく考える必要があります。

ちなみに、労働時間の管理が難しいというのは、何時から何時まで働いたかがはっきりしないということだけでなく、途中の休憩時間(労働していない時間)もはっきりしないということも含まれます。
むしろ、休憩時間の把握の方が難しいといえるでしょう(^-^)

事業場外みなし労働時間制について、詳しくは東京労働局のパンフレットをご参照ください。
http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/jikan/pamphlet/jigyoujyou.pdf