和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/


うつ病などの精神障害の労災申請が急増しています。

20年前の平成元年度には2件(支給決定件数1件)、平成10年度でも42件(同4件)だったものが、平成21年度にはなんと!1,136件(同234件)と初めて1,000件を突破しました。

オーマイゴット\(゜□゜)/

全国で1,000件ならたいしたことないと思うかもしれませんが、今後も毎年増え続けるだろうことを考えれば、これから先あなたの会社で起こらないという保障はどこにもありません(x_x;)

こういうことも起こりうるという前提で労務管理を考えなければならないと思います。

労災を申請するということは、業務に関連した精神障害ということです。
どういう場合にこうなるかというと、実は明確な答えはありません。
業務の内容によりけりで、プレッシャーや労働時間の長さ、上司との人間関係などケースバイケースと言わざるを得ません(-""-;)

ただ、この中でわかりやすいのは労働時間の長さです。
厚生労働省の「脳・心臓疾患の認定基準」では、次のような基準を定めています。
○最近2~6か月の時間外労働が月45時間以下
  →業務と事故との関連性は弱い
○最近2~6か月の平均時間外労働が月45時間超80時間以下
  →業務と事故との関連性が強まる
○最近2~6か月の平均時間外労働が月80時間超
または
最近1か月の時間外労働が月100間超
  →業務と事故との関連性が強い

実は、長時間労働と精神障害の因果関係は明らかになっていません。
実態としてそのような傾向が見られるというだけです。
ただ、長時間労働が問題なのではなく、それにより睡眠時間が短くなることが問題だという説があります
どうも、こちらの方が医学的には根拠がありそうです( ̄ー ̄)

いずれにしても、いざ精神障害により社員が長期休暇となった場合に、長時間労働をさせていた!なんてこととなると、会社にとって不利な状況になることは間違いありませんY(>_<、)Y

労災申請で済めば問題はありませんが、もし自殺ということにでもなれば、かなりの高確率で損害賠償請求の訴えを起こされます(((゜д゜;)))
そのときは、財務基盤が脆弱な会社は倒産してしまうかもしれません((>д<))

そのようなことにならないよう、時間外労働は多くても月45時間以下、やむを得ず多くなったとしても月80時間以下にはしておきましょうねo(^-^)o