2013年 1月の記事一覧
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① 業務災害による休業中と復帰後30日間
② 産前産後休業中と復帰後30日間
今までこの解雇制限期間中は解雇できないというお話を
してきました。
懲戒解雇のような本人の責に帰すべき事由であっても認
められないのですから、かなりの強制力です。
しかし、例外が3つだけあります。
①療養を開始して3年経過後、打切補償(平均賃金の
1,200日分)を支払った場合
②療養を開始して3年経過後、傷病補償年金を受けてい
るか、その後受けることとなった場合
③天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続
が不可能となった場合
①の打切補償は、約3年3か月分の給料に相当しますか
ら、現実的ではありません。
②の「傷病補償年金」とは労災補償のひとつで、治療を
継続しており、かつ障害等級1~3級に準じた障害があ
る場合に支給されるものです。
詳細は割愛しますが、これもそうあることではありませ
ん。
③もそうあることではりませんが、昨年の東日本大震災
のようなものが該当します。
これには労働基準監督署長の許可が必要ですが、許可を
得ていないからといって、それだけで解雇が無効になる
わけではありません。
当然です。
東日本大震災では、労働基準監督署自体が壊滅してしま
ったのですからね。
(おわり)
① 業務災害による休業中と復帰後30日間
② 産前産後休業中と復帰後30日間
これを見て分かるように、解雇が制限されるのは“休業
中”に限られます!
業務災害でも仕事をしながら通院している場合は、解雇
することができます。
産前休業をとれる期間(出産予定日の42日前以降)で
も、実際に休業していなければ、やはり解雇することが
できます。
産後は就労が禁止されていますが、産前は自由なので、
産前休業をとれる期間であっても、就労することは十分
あり得ます。
ですので、もし解雇するのであれば、就労している間に
しなければなりません。
そのためには、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を
支払って即時解雇すべきです!
30日後の〇月〇日付解雇なんて悠長なことを言ってい
ると、その間に産前休業をとられてしまう危険性があり
ます。
そうなるともう産後休業終了の30日後までは解雇でき
ません。
休業中は無給ですが、社会保険料の会社負担は発生する
ので、ムダな人件費を負担することになってしまうので
す。
(つづく)
30日後の〇月〇日付で解雇すると解雇予告をした期間
中に、業務災害で休業してしまったらどうなるのでしょ
うか?
何度も言うように「業務災害による休業中と復帰後30
日間」は解雇制限期間なので、解雇できません。
しかし、このケースは解雇予告の方が先で、既に解雇日
が確定しています。
たまたま後から業務災害で休業したからといって、当初
の解雇日に解雇できなくなってしまうのはおかしいよう
な気がしますね。
ところが、このようなケースでも解雇制限期間中である
以上、解雇することはできません(-_-;)
ただし、休業による解雇制限期間が長期に渡るものでな
い限り、解雇予告自体は有効です。
したがって、改めて解雇予告をする必要はなく、復帰後
30日を経過したところで解雇となります(^^)
(つづく)
前回、産前産後休業明けに懲戒解雇するというお話をし
ましたが、ここでひとつ問題が起こることがあります。
それは、休業中に本人が自己都合退職してしまうことで
す(゜o゜)
通常、懲戒解雇の場合は退職金が不支給になります。
たいていの就業規則や退職金規程には、次のように書か
れていますね。
「第〇条 懲戒解雇の場合は、退職金を不支給とする」
これを素直に解釈すれば、懲戒解雇以外の場合は、支給
されることになります。
つまり、自己都合退職なら支給されるのです。
横領がばれて、本来なら懲戒解雇されるところ、解雇制
限期間中であることをよいことに、今のうちに退職して
しまう。
そうすれば、懲戒解雇にはならないので退職金をもらえ
る。
ズル賢い社員だと、やりかねません。
懲戒解雇事由に該当しているからといって、退職届を拒
否することはできませんからね(-_-メ)
このような問題社員に退職金を払わなければならないの
か・・・。
実はひとつだけ方法があります。
それは、規定を変えるのです。
「懲戒解雇の場合は、退職金を不支給とする」の後に
(懲戒解雇事由に該当した場合を含む)
と追加するのです!
そうすれば、物理的に懲戒解雇できなくても、懲戒事由
に該当さえしていれば、退職金を不支給とすることがで
きます。
ぜひおススメです(^^)/
(つづく)
前回、解雇制限期間中は懲戒解雇もできないというお話
をしました。
ではこのような場合、どうすればよいのでしょうか?
これは、産後休業明けに懲戒解雇するしかありません。
第1回でご説明したとおり、解雇制限期間中でも解雇予
告はできます。
産前産後休業明けと同時に解雇予告すれば、30日経過後
に解雇することができます。
これが最短ですね(^^)
「ちょっと待ってください!育児休業中も解雇できない
んじゃないですか!?」
通常は、産前産後休業が終了すると引き続き育児休業に
入ります。
この育児休業期間中に解雇できるのか?というとですが
これはできます!
何度も出ているように、解雇制限期間は次の2つだけで
す。
① 業務災害による休業中と復帰後30日間
② 産前産後休業中と復帰後30日間
育児休業中も解雇できないと思っている方も多いようで
すが、育児休業したことを“理由”に解雇することはで
きないのであって、それ以外の理由であれば解雇するこ
とができるのです。
ちなみに、①は「業務災害」なので「通勤災害」は含み
ません。
どちらも労災の補償があるので、通勤災害も解雇制限の
対象だと思っている方もいるようですが、それは勘違い
です(゜o゜)
あくまで、仕事中の災害だけで通勤途中の災害は関係あ
りません!
(つづく)
前回ご説明のとおり、次の期間は解雇制限期間と言って
解雇することができません。
① 業務災害による休業中と復帰後30日間
② 産前産後休業中と復帰後30日間
では、懲戒解雇もできないのでしょうか?
例えば、経理担当社員が産前産後休業に入った代わりに
他の社員が経理を担当することになり、そこで前経理担
当社員の横領が発覚したようなケース。
通常であれば、懲戒解雇に値する事案です。
しかし、この社員は解雇制限期間である産前産後休業に
入っています。
結論は、このような場合でも懲戒解雇はできません!
ここで言う解雇とは、普通解雇、懲戒解雇のいずれも問
いません。
常識的には、普通解雇はともかく懲戒解雇もできないと
いうのは不合理のように思えますが、法律では懲戒解雇
を例外として認めていないのです(*_*)
(つづく)
正当な理由さえあれば、いつでも解雇できると思ってい
ませんか?
実はそうではありません。
例外が2つだけあります。
① 業務災害による休業中と復帰後30日間
② 産前産後休業中と復帰後30日間
「解雇制限期間」といって、これらの期間に限っては解
雇することができません。
このようなときに解雇されてしまうと、社員としては為
す術もなく生活が困難になってしまうからです(-_-;)
では、「解雇予告」もできないでしょうか?
解雇予告とは、解雇日を前もって通知することです。
法律では、解雇日の30日前に予告すれば、何ら金銭的
補償なしに解雇することができることになっています。
結論から言うと、解雇制限期間中でも解雇予告は可能で
す(^o^)
この是非については、できる、できないの両論がありま
すが、できるという説が有力でこちらを支持した判例も
あります。
あくまで制限されるのは「解雇」であって「解雇予告」
は制限されません!
ですので、業務災害で休業中の社員を解雇しようとする
場合に、復帰した日に解雇予告をすれば、ちょうど解雇
制限期間が明ける30日後に解雇できることになります。
(つづく)
あけましておめでとうございます!
昨年はブログをご覧くださり、誠にありがとうございます。
引き続き本年もブログを書いてまいりますので、よろし
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発売の際はぜひお読みになってみてください。
それでは、今年もお役に立つ情報を書いてまいりますので、
よろしくお願いいたします!(^^)!
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