2010年 8月の記事一覧

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10年08月18日 09時48分26秒
Posted by: wada
和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/

バイクや自転車を使った配送サービスがあります。

通常、会社と配送人とは請負契約にしていますが、
実態からすると配送人は労働者ではないかとの
疑問があります(-""-;)

これについて、厚生労働省は
使用従属関係がある→労働者
としています。

ところが
平成22年4月28日の東京地裁の判決で
請負であり労働者ではない!
としました\(゜□゜)/

厚生労働省の判断は裁判で否定されてしまったのです!

よく「臨検」といって労働基準監督署の査察が入ることがあります。

そうすると
「是正勧告」という行政指導が入ることが多く
会社が労働基準監督署を恐れる理由でもあります(((゜д゜;)))

でも、指導できるのは明らかに労働基準法に
違反している場合だけです。

例えば、
バイク便にライダーに報酬を支払っていなかったとしても、
会社が請負契約と主張する限り指導できないのです。

「厚生労働省の判断は労働者だ」なんて言われても
「そういう考えもあるかもしれないけど、自分はそうは思わない」
と言ってしまえばそれまでです( ̄ー ̄)

実際、今回のように裁判所で「ノー」と判断されることもあるのですからね。
10年08月11日 09時15分14秒
Posted by: wada
和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/


前回のブログで
休憩時間のフレックス制について書きましたが、
この件について労働基準監督官の意見を聴いてみました。

監督官の考えとしては「あまりよろしくない」とのことです(-""-;)

理由は、
「社員が休憩を1時間とれないかもしれない」
とのことでした。

正午~午後1時というように一斉に休憩に入るのであれば
1時間とれないということはないけれど、
各自がバラバラにというと誰がどれだけとっているのか
わからなくなってしまう。

そうすると、
1時間とれないで我慢する社員も出る可能性がある。

法律違反ではないけれど、
「やっていいですか」と聞かれれば「いいとは言えない」

要するに、休憩フレックス制には反対!ということです(-_-メ

どうですか?

労働基準監督署というところは、
職業柄「会社性悪説」に立っているので仕方ないにしても、
ここまで言いますかね(`ε´)

サトーという会社もそうですが、
これってたいてい社員からの要望なんですよ。

しかも、会社が一方的にできるわけではなく、
社員代表との協定を結ばなければならないんです。

そもそも、お店なんて昼休みも開いているので
最初から休憩フレックス制です。

法律も明確に認めているので、労使協定もいりません。

お店は休憩1時間とれない可能性があっても
仕方ないってことですかね?

もし、社員から要望があって取り入れようとしたら
監督官に「ノー」と言われてあきらめたなんてことがあったら
問題だと思います((o(-゛-;)

実際、私が聞いたときも
最初は「できない」とはっきり言いましたからね(`Δ´)
10年08月06日 09時33分42秒
Posted by: wada
和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/

7月26日のカンブリア宮殿という番組で
サトーという会社の「三行提報」というものが
紹介されていました(=⌒▽⌒=)

社員全員、何でもいいから毎日127文字で
提案を義務づけられているとのこと。

この三行提報がもとでいろいろな制度が
取り入れられていて、その中に
「休憩時間のフレックス制」という
昼休みを自由に取れる制度もありました。

事務職とかだと切りのいいところで休憩に
入った方が効率的だし、都会のオフィスだと
昼食の混雑を避けることができるので
とてもいい制度だと思いますo(^▽^)o

ただし、労働基準法では
「休憩時間は一斉に与えること」

となっているので、単純にフレックス制に
してしまうと法律違反になってしまいます( ̄□ ̄;)!!

なので、労使協定で次の事項を協定する必要があります。
①一斉に休憩を与えない労働者の範囲
②当該労働者に対する休憩の与え方


なお、商業、サービス業などはもともと一斉休憩は
無理なので、労使協定がなくても個別に休憩を
取ることができるので、念のため(^-^)/
10年08月05日 08時51分06秒
Posted by: wada
お仕事Q&A.JPG和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/



今回も、前回の続きで育児・介護休業法の改正についてです。

【育児・介護休業法 改正内容】
①夫婦そろって休業できるようになりました。
②条件付で1歳2か月まで休業できるようになりました。
③条件付で父親は再休業できるようになりました。
④3歳までは短時間勤務が義務づけられました。
⑤3歳までは所定外労働を免除できるようになりました。
  (注)④⑤は100人を超える会社のみ

子:わたし旦那を休ませるつもりはないので
    もっといいことを教えてください。b>
和田:そう言われてしまうと説明しにくいなぁ・・・。
でも順番なので今回は②についてご説明します。
    今までは、1歳までしか休業できませんでしたが
条件付で1歳2か月まで休業できるようになりました。

D子:休業期間が伸びたんですね。
和田:伸びたわけではなく、休業期間は相変わらす1年間です。
    というのも、母親と父親が期間をずらして育児休業をとった場合は、
1歳2か月までとれるということです。

D子:どういうことですか?
和田:母親は子供を産んでから1年間なので今までと変わりません。
    でも、父親はいつから休業してもかまわないので、
子供が産まれてから2か月後に休業を開始することもできます。
この場合、1年間なので1歳2か月までとれることになります。

D子:なーんだ。また旦那の話ね。
理屈はわかりましたが、だから何って気がしますけど。
和田:ええ、おっしゃるとおり。

D子:前回の説明のとおり、夫婦そろって休めるようになったんだから
    それでいいんじゃないかしら。

和田:わたしもそう思います。
ただ単に制度を複雑にしているだけですね。
というわけで、これはこれくらいにして、次回は③をご説明します。
10年08月04日 09時02分51秒
Posted by: wada
和田経営労務研究所
特定社会保険労務士
和 田 栄
http://www.jinsouken.jp/


先日、おもしろい?判決がありました。

それは
労災補償の男女差別は憲法違反!
というものです。

事案は、仕事のけがで顔に傷跡が残ったというものです。

このような「顔の障害」については
労災は障害補償の金額に男女で差をつけています。

障害等級は全部で14級あるのですが
顔に著しい醜状が残った場合は次のとおりです。

○男性は12級
○女性は7級
(数が少ない方が重い)


この差はとても大きくて
男性は給料の156日分を一時金でもらって終わりですが
女性は給料の131日分を年金で毎年もらえます(^_^)v

さらに、それ以外に別途一時金が次のとおり。

○男性は20万円
○女性は159万円


これって、ものすごい差ですよね。

顔なのでわからなくもないですが
そもそも労災の考え方は
障害による労働の能力や機能の低下を補填するものなので
顔の障害にこれほどの差というか
差をつけること自体おかしいという気もします(-_-メ

男女差別とか平等とかとは違う次元の話ですよね。

判決では
「仕事上も精神的苦痛もこれほどの差を設けるほどではない。
合理的理由のない性差別は憲法違反。」

としました。

まあ、妥当な判決ではないでしょうか( ̄ー ̄)
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