厚年基金制度 2段階で廃止 

・・・まず 解散か移行・・・

 

厚生労働省は28日、厚生年金基金制度を廃止する方針を確認し、10年程度の経過期間をおいて制度を廃止する方針です。

 

廃止方針のほか、持続可能で中小企業が入りやすい企業年金の構築、厚年基金を解散しやすくするための対策を進めることを決めました。

 

厚年基金制度の廃止は2段階で進む見通しで、第1段階では、他の年金制度に移行するか、基金の解散を促します。

 

積み立て不足がない健全な基金は、加入者自らが運用する確定拠出企業年金か、将来決まった年金を受け取れる確定給付企業年金に移行してもらう考えです。

 

解散を促すのは、主に財政難の基金が対象で、基金が国から預かって運用する公的年金である厚生年金 の一部で損失が生じています。

  

今後、運用の低迷で損失が拡大すれば、厚生年金本体の財政への影響が大きくなりかねず、早期に解散してもらうとしています。

  

第2段階では、厚年基金制度を廃止しますが、第一段階で解散せずに残った企業は企業年金がなくなります。

  

解散には損失を基金が穴埋めするのが原則ですが、損失を返す体力のない基金が最後まで残るとみられます。

  

厚労省は積み立て不足の最終処理は、厚生年金保険料を使って穴埋めすることを想定していますが、厚年基金とは無関係の会社員にツケが及ぶことになります。

 

厚年基金が解散すると、現役の加入者も受給者も公的年金に上乗せして給付している企業年金が受け取れなくなります。

 

基金が積み立て不足を払った うえで残った財産は加入者と受給者の全員に分配しますが、ほとんどの厚年基金は解散後、企業年金をつくる体力に乏しく、将来は公的年金だけに頼る会社員が増えることになりそうです。

 

厚年基金は主に中小企業が作っているため厚労省は厚年基金制度廃止に伴う受け皿として、中小企業の会社員が入りやすい年金制度のしくみも検討するとしています。

 

 
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