企業年金数 10年で7割減 
 

・・・運用難で中小の廃止増 ・・・

 

企業年金を取りやめる中小・零細企業が急増し、企業年金の数は今春に1万9000と10年前より7割強も減ったことが分かりました。

 

膨らむ運用リスクを抱えきれず、退職者に決まった額の年金を配るのを断念する企業が増えたためで、会社員のうち企業年金をもらえる人の割合は10年前の63%から48%に低下し、中小零細企 業で働く人の老後不安につながっています。

 

企業が従業員のために掛け金を出す企業年金は、厚生年金基金(厚年基金)、確定給付企業年金、確定拠出企業年金、適格退職年金(適年)の4つですが、その合計が2002年3月末の約7万5000から今年3月末に1万9000に減っています。

 

企業年金が急減したのは中小・零細企業が主に加入していた適年がなくなったことが大きく、02年3月末時点で適年は7万3582と企業年金の97%を占めていましたが、今年3月末に制度が廃止されました。

  

適年も厚年基金も企業が掛け金を運用して従業員に約束した額の年金を老後に支給する仕組みですが、実際は運用難で企業が掛け金の追加拠出を迫られ、これ以上、運用リスクを抱えたくないと解散する企業が増えました。

 

 適年を12年春に廃止することが決まった約10年前、政府は代わりに確定給付や確定拠出の年金制度を新設し、適年を持つ企業に移行を促しました。

  

しかし実際は確定給付に移った企業は約2割、確定拠出へは約1割にとどまり、約半数はこうした新しい企業年金に移らず企業年金を一切持たない道を選びました。

  

適年を持っていた企業の3割は従業員の退職金の積立制度である中小企業退職金共済制度(中退共)に移りました。
 

中退共でも企業は掛け金を負担するが、年金ではないので運用リスクは持たなくてよいことになりますが、中退共事業本部は「適年から中退共に移らなかった零細企業も企業年金はやめて退職一時金に切り替えたのではないか」とみています。
 

中小・零細企業で働く人はもともと大企業と比べると低賃金で公的年金である厚生年金の給付水準も低い場合が多く、勤め先で企業年金がなくなると、老後の生活への不安から消費や住宅取得に慎重になる可能性があります。

 

 

 
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