労働者性の判断基準 初めて提示

 

・・・労働組合法上の労働者性の判断基準を初めて提示・・・

 

・・・厚生労働省「労使関係法研究会」報告書・・・

 

 

 厚生労働省の「労使関係法研究会」は25日、労働組合法上の労働者性の判断基準について報告書をとりまとめました。

 

 

 労働組合法は、労働者と使用者とが対等の立場に立って交渉することを実現すべく、労働組合の結成を擁護し、労働協約の締結のための団体交渉を助成することを目的としています。

 

 

しかし、業務委託・独立自営業といった働き方をする人が加入する労働組合が、契約先に対して団体交渉を求めたところ、労働者ではないとして団体交渉を拒否され、紛争に至る事例が生じています。

 

 

 労働組合法で定義される「労働者」に該当するか否かについて判断が困難な事例が多い中で、確立した判断基準が存在しなかったこともあり、このような紛争を取り扱った労働委員会の命令と裁判所の判決で異なる結論が示され、法的安定性の点から問題となっていました。

 

 

「研究会」において、労働者性の判断基準を報告書として提示しました。

 

 

 具体的には、以下の判断要素を用いて総合的に判断すべきものとしています。

 

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(1)基本的判断要素

 

1 事業組織への組み入れ

 

   労務供給者が相手方の業務の遂行に不可欠ないし枢要な労働力として組織内に確保されているか。

 

 

  2 契約内容の一方的・定型的決定

 

   契約の締結の態様から、労働条件や提供する労務の内容を相手方が一方的・定型的に決定しているか。

 

 

  3 報酬の労務対価性

 

   労務供給者の報酬が労務供給に対する対価又はそれに類するものとしての性格を有するか。

 

 

(2)補充的判断要素

 

  4 業務の依頼に応ずべき関係

 

   労務供給者が相手方からの個々の業務の依頼に対して、基本的に応ずべき関係にあるか。

 

  5 広い意味での指揮監督下の労務提供、一定の時間的場所的拘束

 

   労務供給者が、相手方の指揮監督の下に労務の供給を行っていると広い意味で解することができるか、労務の提供にあたり日時や場所について一定の拘 束を受けているか。

 

 

(3)消極的判断要素

 

  6 顕著な事業者性

 

   労務供給者が、恒常的に自己の才覚で利得する機会を有し自らリスクを引き受けて事業を行う者と見られるか。

 

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 厚生労働省は、報告書について、業務の参考として中央労働委員会(都道府県労働委員会)や都道府県に通知し、関係者に広く周知を図ることとしています。

 

 

 

 

 

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