2011年 4月の記事一覧
被災企業の社会保険料を1年免除
・・・東北以外の企業も対象・・・
政府は東日本大震災で甚大な被害を受けた企業を対象に、社会保険料の事業主負担を1年分免除する方針を固めました。
雇用保険や健康保険、厚生年金などの各保険料のほか、子ども手当の拠出金も免除します。
免除対象になった企業は従業員1人あたり100万円前後の負担軽減になる見込で、東北以外の企業も対象に含め、雇用維持を後押しする狙いで、早期成立を目指す震災対策の特別立法に盛り込む方針です。
厚生労働省は震災直後に緊急避難措置として、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の被災企業を対象に、社会保険料の支払いを猶予する通知を出しています。
政府は早期復興に向け、震災で被害を受けた企業の負担を本格的に軽減する必要があると判断し、当面は、震災後1年分の社会保険料負担を免除する方向で民主党と調整します。
対象企業の条件は今後詰めるとしていますが、
・「事業所の従業員の半数以上に給与が支払えないこと。」
・「月給が数万円程度など給与の大幅カットに追い込まれていること。」
のいずれかに該当する場合が軸になる見込みです。
また東北以外の企業でも、震災による損害が企業財産の2割以上に上るなど被害が大きい場合は対象に含める方向で検討しています。
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オペラ歌手も 「労組法上の労働者」
・・・最高裁 就労実態を詳細に検討 実態で判断 ・・・
個人事業主として働く歌手が、労働組合法上の「労働者」に当たるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は12日、就労実態を検討したうえで、「労働者に当たり、団体交渉権がある」と認める判決を言い渡したことが分かりました。
問題となったのは、新国立劇場運営財団(東京)と契約するオペラ歌手と、INAX(現LIXIL)の子会社INAXメンテナンス(愛知県)と契約する技術者(カスタマーエンジニア)の地位問題です。
契約更改などを巡り「雇用関係にない」などとして団交を拒んだ財団や会社の対応が、不当労働行為に当たるかが争われました。
同小法廷は就労実態を詳細に検討し、歌手と技術者のいずれも
(1)不可欠な労働力として組織に組み込まれていた
(2)仕事の諾否の自由が実質的になかった
(3)契約内容が一方的に決められていた
(4)仕事の場所や時間が拘束されていた
――などとして、「労組法上の労働者に当たる」と判断しました。
そのうえで、オペラ歌手については団交拒否が不当労働行為に当たるかどうか判断させるため、審理を東京高裁に差し戻しました。
技術者側弁護団の河村弁護士は「就労実態次第で労働者と認められることが示された」と判決を評価しました。
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個人事業主も労働者 最高裁判決
・・・INAX子会社の業務委託契約者 ・・・
INAX(現LIXIL)子会社の修理会社「INAXメンテナンス」と業務委託契約を結んだ個人事業主は、労働組合法上の労働者かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は12日、労働者に当たるとの判断を示しました。
労働者と認められれば、会社との団体交渉が可能になります。
実質的に会社の仕事しかできないのに、業務委託などの形を取るケースは少なくなく、今後大きな影響を与えそうです。
問題となったのは、INAX製品の修理点検をするカスタマーエンジニア(CE)と呼ばれる個人事業主で、CEの加入する労組との団交拒否を不当労働行為とした中央労働委員会の救済命令に対し、会社側が取り消しを求めて提訴していました。
第3小法廷は、会社がCEとの契約内容を一方的に決め、CEは会社側の依頼に応じなければならない関係にある上、報酬も業務との対価性があると指摘しました。
以上の理由から、労働者と認められるとして、救済命令を取り消した二審判決を破棄し、会社側の請求を棄却しました、
この判決により、会社側の敗訴が確定しました。
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主婦年金額 165万人変動の可能性
・・・届け出忘れ47万人 未納者との調整課題・・・
厚生労働省は11日、年金保険料が未納状態になっている主婦の救済問題で、将来の年金額が変わる可能性がある人が165万1000人に上るとの推計を発表しました。
年金の受給資格の変更届けを忘れたケースと、年金保険料を一定期間納めていなかったケースと原因は2つあります。
夫が転退職するなどで会社員の専業主婦ではなくなった後も資格を変更していない人は47万5000人で、このうち42万2000人は現役世代で、年金受給はこれからの専業主婦です。
残る5万3000人はすでに年金を受け取っていますが、誤った資格のままで年金額が計算され、年金額は本来より多い「過払い」になっています。
厚労省は多くの主婦の保険料が未納になった背景に国の周知不足があるとの判断から、一定の救済策を4月中にまとめる方針ですが、すでに年金を受給している人には過払い分の返還を求める方向とのことです。
一方、2年以上たってから変更を届け出たものの、過去に保険料の未納期間があった人は117万6000人いました。
このうちの50万3000人は未納期間分を反映して減額した年金をすでに受給しています。
救済対象に含めるかどうか、調整は難航する可能性があると思われます。
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雇用対策 震災対応 政府検討
・・・雇調金や失業給付など・・・
政府は東日本大震災に対応した雇用対策で、解雇防止や失業保険などに1兆円を投じる検討に入ったことが分かりました。
休業手当を国が補助する雇用調整助成金を7000億円、雇用保険の失業給付を3000億円、今年度の第1次補正予算案に盛り込む方針です。
地震や津波、企業のサプライチェーンの混乱で雇用が悪化するなか、解雇を最小限に防ぎ、失職者の生活を支えることが急務だと判断しました。
【大震災を受けた雇用対策】
●解雇の防止 ・・・雇用調整助成金の要件を緩和
・部品の供給停止や停電の影響で業績が悪化した企業も対象に
●失職者の生活支援 ・・・失業給付の拡充
・失職者の生活支援会社が被災し賃金が受け取れない場合も支給
・給付期間の延長を検討へ
●雇用の創出 ・・・雇用創出基金の積み増し
・自治体が被災者を短期で雇い入れ。家の片付け代行、高齢者見守りなどで雇用
●仕事のあっせん ・・・ハローワークの機能拡充
・避難所に出張窓口。住み込み・短期の仕事などあっせん
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「年金切り替え漏れ」 過受給5万人超
・・・現役で最高37万円減額の可能性・・・
専業主婦ら第3号被保険者(3号)の年金切り替え漏れ問題で、厚生労働省は11日、本来より年金を多く受け取っている高齢者が5万3000人いるとの推計を明らかにしました。
平均の過払い額は年約1万1150円、また現役世代は、年金の減る可能性のある人が42万2000人に上ることが分かりました。
政府は切り替え漏れのある現役の人が保険料を追納しなければ、将来の国民年金(満額で年約78万9000円)を減らす意向で、この場合、年間に平均約3万9000円、最も多い人で約37万円減額される見通しです。
同省によると、切り替え漏れのある人は97万4000人(受給者14万3000人、現役83万1000人)です。
国民年金は40年間(480カ月)完納で満額受給できますが、1カ月の未納で年間約1640円減額されます。
受給者の切り替え漏れ期間は平均6.8カ月、最長で128カ月でした。
平均では年1万1150円、最長の人は年約21万円本来より多い年金を受け取っている計算です。
政府は過払い分の返還も検討していますが、現実的に返還を求めることは難しいとみられています。
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震災 内定取消 3月末より50人増加&NEC 被災学生30人採用へ
・・・日本経済新聞 情報紹介(2011.4.8)・・・
1.震災で内定取り消し173人に 3月末より50人増加
厚生労働省は8日、東日本大震災の影響で採用の内定を取り消されたとして同省に報告のあった学生や生徒数が6日時点で、39事業所で計173人に上ると発表した。
3月末時点より50人増えた。
就職する時期を繰り下げたのは81事業所で1051人。
事業所などからハローワークへの相談は、被害の大きい岩手、宮城、福島の東北3県で3日までに延べ692件に達している。
内定取り消しは高校生が110人と3分の2を占め、大学生は63人。
事業所がある都道府県別では、本社からの報告が多い東京が71人で最も多く、岩手が47人、宮城が20人、福島が8人などとなっている。
2.NEC、被災学生30人採用へ 7月に仙台で選考会
NECは7日、東日本大震災で被災した学生を対象とした採用活動を実施すると発表した。
2012年4月に入社する新卒者(大卒、大学院修了者)が対象で、7月に仙台市でグループ合同の会社説明会と選考会を開催する。
グループ全体で30人程度を採用する計画。
学生の事情に応じて、自由な服装を認めるほか、交通費の支給対象も拡大する。
インターネットの閲覧が難しい学生にも配慮し、各大学の就職課とも連携して、ネットに頼らない事前告知などにも努める。
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震災 未払い賃金の立替払について
・・・東日本大震災に伴う未払い賃金の立替払についてのQ&Aが公開・・・
企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部が立替払されるという未払賃金立替払制度に関しまして、この制度に関するQ&Aが、事務連絡として公開されましたので、以下、そのポイントについて取り上げます。
Q 震災により賃金に関する書類はほとんど残っていませんが、立替払の請求はできますか。
A 勤務していた会社のことや給与に関係する書類は何でも結構ですのでご用意ください。それがなくても、これまでの賃金の支払状況などが確認できれば請求の手続きは可能ですので、労働局または労働基準監督署にお尋ねください。
Q 今回の震災により、夫が勤めていた会社が倒産し、賃金が未払となっているのですが、夫は死亡してしまいました。私が変わりに立替払の請求をすることは可能でしょうか。
A ご遺族がその方の名前で申請することが可能です。なお、亡くなったことがわかる死亡診断書などの書類や続柄が分かる戸籍謄本などの書類をご用意ください。
Q 私は会社の代表者ですが、今回の震災で事業場が大きな被害に遭い、労働者に給与が払えない状況です。多くの労働者がその遺族が各地に避難していますので、私が給与未払いとなっている労働者の給与についてまとめて申請し、各労働者に配布したいと思っています。このようなことは可能ですか。
A 会社が倒産状態にあることを認定するための認定申請は労働者の方から行っていただくことが必要です。連絡のつきやすい労働者のどなたかお一人で結構ですので、申請をお勧めしてください。なお、各地に避難していらっしゃる労働者等の方の情報をいただければ、頂いた情報で事務処理がより円滑に進むものと考えますので、ご協力ください。
この事務連絡の全文は以下よりダウンロードが可能です。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017zyd-img/2r98520000018001.pdf
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雇用対策発表 雇調金の要件緩和 等
・・・計画停電被害も対象、自治体短期職員制度・・・
政府は5日、東日本大震災の被災者向けの雇用対策を正式発表しました。
国が休業手当の一部を補助する雇用調整助成金の支給要件を緩和し、計画停電や部品調達の遅れで操業が停止し、休業者が出た場合も企業が早期に助成金を受け取れるようにします。
自治体が被災者を復旧・復興事業に従事する短期職員として採用する制度を通じ、被災地での雇用拡大も支援します。
雇用調整助成金について、今までは被災地だけだった特例対象を拡大するのが特徴です。
売り上げが急減した企業が従業員を休業扱いにした場合に国が給料の7~8割を補助する仕組みで、計画停電で売り上げや生産減少に直面したり、被災地から部品が届かずに操業停止に追い込まれたりした企業も、被災地とほぼ同じ条件で助成金を申請できるようになります。
通常は売り上げや生産減少が3カ月続かないと適用されませんが、特例で1カ月でも助成金が受けられます。
被災者向けの雇用確保では、基金を活用して、都道府県や市町村が被災者を直接雇用し、漂流物の片付けや避難所での高齢者の見守りなどに被災者が従事できるようになります。
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専業主婦年金 問題 今後は?
・・・「3号救済」4月中に案 高齢者の減額焦点・・・
厚生労働省は5日、厚労相の諮問機関、社会保障審議会で、専業主婦らの年金切り替え漏れに対する救済策の検討を始めました。
4月中に案を作り、3年間の時限立法として通常国会に提出する方針です。
政府が先月まとめた「切り替え漏れ期間は年金額に反映させない」とする原則を、現役世代だけでなく受給者にも適用して高齢者の年金削減に踏み切るか否かが焦点です。
しかし、同省内では高齢者の年金削減は「難しい」との見方が大勢です。
切り替え漏れ問題は、勤め人の夫から扶養を受ける妻ら「第3号被保険者」が、夫の退職などで「第1号被保険者」に変わった際、市町村に届け出なかったために起きました。
本来は「1号」として保険料を納める必要があったのに、記録上は負担なしに年金が確保される「3号」のままの人が最大で100万人超いるといいます。
切り替え漏れ期間は「未納」とみなされ、受給権を得るのに必要な年金加入期間(25年)にも算入されません。
このため、政府は3月8日に
(1)切り替え漏れ期間も加入期間と数えて受給権は確保する一方、その期間に相当する分の年金はゼロとする
(2)過去にさかのぼって保険料を払える現行期限(2年)を超えて後払いを認める
との素案を示しました。
問題は、切り替え漏れに気づかないまま、既に受給を始めた高齢者にも適用するかどうかの扱いです。
「未納期間は年金ゼロ」という方針を、年金受給者にも適用するなら公平性は高まります。
しかし、過去に受け取った年金の返還や、将来の年金の減額が必要となります。
5日の特別部会では、委員から「医療保険はみんな切り替える。本人の責任が非常に大きいのでは」「知らなかったのか、知っていて切り替えなかったのかが大きなポイントだ」と、公平性を重視すべきだとの意見が相次ぎました。
しかし一方で、「現役世代と年金受給者では事情が異なる。あまり公平・不公平を重視する必要はないのではないか」といった指摘もあったようです。
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停電で休業 「失業給付の対象」にと要望
・・・労組「全国ユニオン」が要請 非正規労働者対策・・・
計画停電によって多くの会社が休業し、収入が減少したり、収入がなくなる従業員が相次いでいるとして、非正規労働者を支援する労働組合「全国ユニオン」が、1日、早急に対策をとるよう、厚生労働省に要請しました。
今回の震災では、地震や津波の被害で会社が休業する場合は、その期間中、従業員に失業給付が行われますが、主に東京電力管内で実施されている計画停電によって休業する場合、失業給付は行われません。
全国ユニオンに計画停電による休業で無給になったという相談がすでに100件以上寄せられているといいます。
これを受けて、全国ユニオンは厚生労働省に計画停電による休業も失業給付の対象に加えるよう求めています。
また、要望書では、被害を受けていない会社が震災の影響を理由にして従業員を解雇するケースも出ているとして、解雇や雇い止めの条件を明確にすることも併せて求めています。
非正規労働者はもともと賃金が低く、無給になったとたんに深刻な生活苦に陥るため、国は早急な対策が必要です。
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4月4日の日経新聞朝刊で日航の整理解雇に関する 記事が掲載されました。
整理解雇問題を考える上で大変参考となる記事だと思われます。
日航の整理解雇 妥当性は?
・・・日本経済新聞(4月4日朝刊) 記事紹介・・・
業績V字回復で浮上 「4要件」巡る司法判断注目
経済情勢変わり“視界不良”
日本航空に昨年末に解雇された元社員が、解雇は無効だとして職場復帰などを求める裁判が3月に始まった。元社員は業績好転などから不当解雇だと主張、会社側と真っ向から対立している。これまで司法判断の基準となっていた「整理解雇の4要件」を巡り、裁判所がどのような判断を下すのか注目される。
日航は東京地裁が昨年11月に認可した更生計画で、グループで約1万6千人の削減を掲げた。認可前から契約、派遣社員の削減や早期退職制度の活用を進めたほか、昨年9月以降は3度にわたり希望退職を実施。それでも目標に届かなかったため、昨年末に機長、副操縦士、客室乗務員あわせて165人を解雇した。
9割が不当と訴訟
うち約9割が不当な人員整理だとして賃金の支払いなどを求め、今年1月に東京地裁に訴えを起こした。「不当な解雇を撤回しろ!」。2月22日、羽田空港近くの日航本社前に原告や支援者約250人が集まった。「利益をあげている点だけをみても不当な解雇だ」。ボーイング777の機長だった原告団長の山口宏弥氏は憤りを隠さない。
企業を存続させるために、経営上の都合で正社員を解雇する場合には裁判所が決めた4つのポイントがある。具体的には(1)人員整理の必要性がある(2)解雇以外の方法を十分に探る(3)解雇対象者の選定が妥当である(4)組合との協議などを尽くす――ことだ。
「整理解雇の4要件」を名刺の裏に刷り込む山口氏は「日航はすべて満たさず無効だ」と話す。ワークシェアリング(仕事の分かち合い)、一時帰休など解雇を避けるための方策を尽くしていないことや、解雇対象者の選定で再就職が難しい高齢者から解雇したことなどを例に挙げる。
日航は前期決算で多額の営業黒字を確保したもようだ。稲盛和夫会長も2月、「(業績は)月を追うごとに良くなってきている」と述べ、雇用継続が不可能ではなかったと認めた。
それでも解雇に踏み切った理由について稲盛氏は「(巨額の)債権放棄を迫られた金融機関などの債権者の承認と裁判所の認可をもらった更生計画を、過去の日航経営陣のようにほごにするわけにいかなかった」と説明する。
これに対し、原告側は更生手続き中の会社も整理解雇規制が適用されると主張する。確かに、かつて国会審議で政府側は「一般の会社における整理解雇と同様の法理が適用され、更生会社であれば整理解雇が法律上容易になることはない」と答弁している。
日航側は裁判で(1)大型機の削減により運航乗務員などをスリム化せざるを得ず、人員整理の必要性は十分にあった(2)解雇対象者の選定は貢献度による方式より年齢基準のほうが客観的――として解雇の有効性を主張する方針。詳細な給与データも提出する。
裁判の焦点である「整理解雇の4要件」は司法判断の蓄積から生まれた。1973年の第1次石油危機以降、雇用調整に伴う紛争が相次ぎ、裁判所は正社員の保護ルールとして4要件の骨格を定めた。正社員は意に反する出向や配転命令に応じる代わりに、年功序列型賃金システムの中で長く働いて帳尻を合わせていることを重視した結果だ。
部分的に緩む規制
しかし、バブル崩壊後の厳しい経済情勢を受け解雇規制は部分的に緩んできている。例えば有効な解雇と認められる絶対的な「要件」ではなく、有効かどうかを総合判断する「要素」とする裁判例が増えている。整理解雇前の希望退職の募集を不要とする司法判断も出ている。
経済学者からはかねて批判が出ていた。先に職を失う派遣や契約社員など非正規社員の犠牲の上に正社員の雇用が守られていることに加え、正社員を過剰に保護すれば能力開発意欲の低下をもたらすとの考えからだ。
企業にすれば一度採用すると人員整理しにくいため、成長が鈍化すると採用を極端に絞り込む。慶応大学の国領二郎教授は就職活動の現状を「沈みゆくタイタニック号の1等船室を奪い合っているようなものだ」と指摘する。
整理解雇規制が固まったのは昭和の終わり。平成の低成長期に入り、産業界では年功序列型の人事制度が徐々に崩れるとともに、成果主義の導入も進んだ。
既に雇用者の3割強を占める非正規社員と正社員の格差が社会問題になり、同一労働・同一処遇という考えも広がり始めた。雇用調整の場面で正規、非正規を理由に大きな差をつけることは「将来、不合理で悪だという新しい判例が登場するのは必然」(高井伸夫弁護士)との指摘もある。
とはいえ、既採用の正社員は長期雇用への強い期待と一定の保護を受ける法的権利を持つ。安藤至大・日本大学准教授らは、社会変化にあわせて裁判所が整理解雇規制を微調整したとしても伝統的な大企業は雇用調整の手法を大きく変えることはないとみる。安易に整理解雇に動けば「若い社員たちがいずれ自分たちも同じ扱いをされると考え、熱心に働かなくなることが予想されるからだ」(安藤氏)。
公的資金を受け、事業再構築でV字回復する日航。3月末には更生手続きを終えた。司法ルールは絶対ではなく、その時々の社会の状況に応じて揺らぐ。耳目を集める今回の整理解雇問題で、世界第3位となった経済国の裁判官はどのような司法判断を下すのだろうか。
(編集委員 三宅伸吾)
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セクハラ教授 懲戒解雇処分
・・・広島市立大・・・
広島市立大は31日、女子学生3人に対し、セクハラ行為をしたとして、芸術学部の男性教授(58)を同日付で懲戒解雇の処分にしたと発表しました。
大学側は「被害者の特定を防ぐため」とし、詳細な説明を拒んでいます。
この教授は09年7月~10年8月、3人の女子学生に対し、それぞれ抱きつくなどのセクハラ行為に及んだ、としています。
10年8~10月にかけて学生から相談があり、内部調査を進めていました。
教授は事実関係を認め、反省の弁を口にしているといいます。
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大震災に伴う 労働基準法Q&A 2版
・・・厚労省 第2版 公開・・・
厚生労働省では今回の震災に関連し、労働基準法の一般的な考え方などについてQ&Aを取りまとめ、3月18日に第1版を公開しましたが、昨日、この第2版が公開されました。
第2版では、派遣労働者の雇用管理、解雇、採用内定者への対応、一年単位の変形労働時間制について9つのQ&Aが追加されています。
Q3-1
今回の震災を理由に雇用する労働者を解雇・雇止めすることはやむを得ない対応として認められるのでしょうか。
その他のQ&Aは以下で
厚生労働省「「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準法等に関するQ&A(第2版)」について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016u30-img/2r98520000017esn.pdf
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勤務中の震災被害 労災認定へ
・・・31日 厚労省が方針・・・
東日本大地震で事業所や作業場が倒壊、焼失したり、大津波で流失したりして勤務中に被害に遭った人について、厚生労働省が労災認定する方針を決めたことが31日、分かりました。
三陸地方は明治三陸地震(1896年)など、何度も津波被害を受けているため、津波による被害を「危険な環境下で仕事をしていた結果」として、災害と業務の因果関係を認めるとしています。
大地震の発生が午後2時46分ごろと平日の昼間で勤務中の人が多かったため、対象者はかなりの数に上るとみられます。
厚労省は「事業主や医療機関の証明書がなくても受理する。近くの労働基準監督署に問い合わせを」と呼び掛けています。
労災と認められるのは事業所、作業場の倒壊や水没、焼失で被災した場合や、避難中や救助中、通勤中に巻き込まれた場合で、休憩時間中も適用されます。
行方不明者については本来、不明になったときから1年後に死亡とみなされた場合に請求ができますが、今回は特例として1年以内でも認定することを検討しています。
阪神大震災では、発生時間が午前5時46分と多くの人が勤務時間前の早朝だったため、被災者数に比べ申請者は少なかった実態があります。
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