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米製薬大手バクスター・インターナショナルは16日、新型インフルエンザの予防注射用ワクチンの対日輸出を検討していることを明らかにした。

厚生労働省と現在、供給契約の締結に向けた交渉を進めており、交渉がまとまれば、7月にも出荷したい考えだ。

新型インフルエンザ向けのワクチンをめぐっては、北里研究所(東京都港区)など国内の4法人が製造準備に入っているが、海外メーカーからワクチンの直接輸入が実現すれば、ワクチンの調達体制を早期に整備できると期待されている。


バクスターはすでに英国やオーストリアなど欧州数カ国の保健当局と供給契約を結び、ワクチンの量産を急いでおり、7月にも出荷を開始するという。

スイス製薬大手ノバルティスも今秋の出荷を目指しているが、バクスターのワクチンが世界で初めての本格供給となる見込みだ。


ワクチンの生産は、鶏の卵でウイルスを増殖させる手法が通例だが、卵の大量調達が難しいという課題がある。

このため、同社は卵を使わない細胞工学技術を駆使し、生産期間の短縮に成功した。

欧州以外でも日本や米国などと交渉を進めているという。


国内のワクチンメーカー4法人はいずれも小規模で生産能力に限りがあるほか、季節性インフルエンザ用ワクチンも一定量生産する必要がある。

厚労省では年末までに4法人から約2500万人分の調達が可能とみているが、新たに輸入にも踏み切ることで調達体制を整備する。


【最終更新:6月17日8時4分 産経新聞】



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