死亡した母親の年金をだまし取ったとして、岐阜県警中津川署は9日、住所不定、飲食店店員鈴木悟容疑者(48)を詐欺容疑で逮捕した。

発表によると、鈴木容疑者は同県中津川市内で同居していた母親が2005年に73歳で死亡したにもかかわらず、その後も生存しているように装い、06年8月から昨年6月までの間、計31回にわたり、国から支給される母親の障害基礎年金と障害厚生年金計約630万円をだまし取った疑い。鈴木容疑者は容疑を認めている。同署は、生活費や遊興費に充てていたとみて調べている。

日本年金機構多治見年金事務所から昨年9月に情報提供があり、発覚。中津川市に母親の死亡届は出されていたが、当時の社会保険庁には死亡の届け出がなかったため、その後も年金の支給が続いていたという。

同機構によると、社会保険庁時代の06年12月以降、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の情報を遺族年金の支給に活用し、死亡した場合は把握できる仕組みになっている。住基ネットの登録情報がない場合、受給資格者本人から年1回、自署で氏名と住所、電話番号を記載する現況届の提出を受けており、同機構は「現況届が出されれば支給する」と説明している。

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立て続けに年金詐取が発覚しました。住民基本台帳ネットワークの活用により、年金受給者の「現況届」が不要になって、その後には「住所変更届」や「死亡届」も不要となっています。役所や機構にとっても大変手間が省けたわけですが、何十年も死んだ人に年金を支払っていた事件が後を絶ちません。

まだまだ氷山の一角ではないでしょうか。もっと手間が省けた分、手間をかけて点検することが必要ですね。また責任のなすりあいでしょうか。