介護施設の担当者から、相談のFAXが寄せられました。介護職員処遇改善交付金を3月に一年分を職員に支払い、さらに5月も2ヶ月分支払う。前任者からは、交付金は報酬と見なされないから、社会保険の算定基礎届にも賞与支払い届にも入れなくとよいと引き継ぎされたが本当でしょうか。年金事務所に確認もしているが、相談者はそれでも疑問に思って、当事務所に相談を寄せてきたものでした。
 そこで、「年金事務所の見解があればそれに従ってもよいのでは」としながらも、当方の認識が違うとして、次のような説明をFAXで返しました。

 「そもそも、介護職員処遇改善交付金は賃金の改善を図る目的で作られた制度です。交付される額は改善計画に基づいて賃金の改善に要した額の範囲になります。したがって、職員に「交付金を支給した」との表現は間違いで、あくまで賃金を支払ったとするのが当方の見解です。出所はどこであれ、職員に支払うのは「賃金」と考えています。そのため、通常月の賃金として支払えば算定届に反映されますし、一時金として支払えば賞与支払届に反映される、と思っておりました。
傍証として、介護職員処遇改善実績報告書の中で、改善に要した費用の総額として「法定福利費等を含む」との記述があります。これは、賃金を改善した結果として法定福利費が増加したならば、その増加分は「賃金改善に要した額に算入してよいですよ」との意味です。法定福利費には、社会保険料だけでなく労働保険料その他も含まれますが、これから社会保険料だけは増加しないとするのは不自然と考えます。
 これが、当方の認識していた介護職員処遇改善交付金の位置づけです。
 改めて申すまでもないですが、地元の年金事務所の見解が算定にも賞与にも含めなくと
もよいとのことでしたら、それに従っては如何でしょうか。
 連絡をして頂いたのに、混乱させることばかりを申しまして申し訳ございませんでした。
 当方の見解も参考にしてご検討下さい。」

 間違っていないとは思うものの、100%の自信はないところ。他の施設ではどうしているのでしょうか。

参照:介護職員処遇改善交付金