副業の思わぬリスク
投稿日:2014年04月11日金曜日 11時53分39秒
投稿者:社労士行政書士事務所オフィス石野 カテゴリー: 労働法のおはなし
このところ本当に春の日差しが心地よい毎日が続きますね。
そろそろ日傘の女性も目にするようになりました。
それを目にして、私は「ゴルフでラウンドするときに日焼け止め、忘れないように!」
と気になった次第です。
ところで、先月のことになりますが、税務署で納税証明書を出してもらうとき、
待合室に国税局からの啓蒙ビデオが流れていました。
普段なら、ちょっと見ただけで「つまらん!」と
すぐ別のことに意識がいくのですが、ドラマ仕立てになっていたので、だんだん
目が離せなくなりました。
ドラマのストーリーを簡単にいうと・・
◆会社でOL をしているA子さんが、カリスマ主婦ブロガーとしての一面をもつ友人B子さんから刺激を受け、自分も趣味のアートフラワーをインターネット出品したところ、次第に収入が継続的に入るようになった。
◆A子さんは、「趣味で、お金が入るなんて♪」と大喜びし、その収入は「自分へのご褒美」として、バッグやアクセサリーの購入に使っていた。
◆しかし、ある日突然、「ネット販売の事業収益について、申告がされていません。過去数年について、申告漏れがなかったかどうかの税務調査をさせて頂きます。」と、税務署の調査官が自宅にあらわれる。
◆通帳その他の資料をもとに、結局、A子さんには、無申告と所得税未納が指摘される。
A子さんは、「ネット販売は、あくまで趣味の延長で、商売といえるほどのものではないんです。それに会社に副業していた・・なんてことがバレたら、私、困るんです・・・(泣)」
と涙で調査官に訴えるが、(当然ながら)聞き入れてはもらえず、申告漏れによる延滞金がついた多額の所得税の支払命令が出る。 A子さん、「ガーン!!!!(号泣)」・・・といった内容でした。
これ、私は知らなかったのですが、税務署では専門のサイバーチームがあって、個人HPのサイトをランダムに閲覧し、「継続的に出品販売の実績があり、それなりに稼いでいそうな人」が税務署に申告納税しているかどうかをチェックしているそうです。
したがって、ドラマのようなことは結構、実際にあるんだろうな・・と感じました。
ところで、A子さんは、「副業しているなんて、会社にバレると困るんです!」と
調査官に泣きついていましたが、こうなると会社にはだいたいバレます(笑)。
なぜかというと、申告漏れの分について、住民税も上がることになるでしょう。
会社員の場合、住民税は、「特別徴収」といって、会社の給与から天引きされることが原則です。
たまに会社の総務の方から、「今年から、○○さんの住民税の額が、すごく上がってるんですよ。会社のお給料は、それほど上がっていないのに変ですよね???」というお尋ねがあったりします。
「きっと何らかの理由で、個人的な収入があったので、それが反映されたのではないでしょうか。」とお答えするにとどめるのですが、会社によっては、本人にその理由を尋ねることもあるかもしれません。
本人は、「誰にもバレずに、上手くやってる♪」と思っていても、予期せぬ大ごとにつながるかもしれません。
会社員の方ならば、まずは、会社の就業規則で副業についての定めがあるかどうかを確認し、許可制であれば事前に会社の許可をとっておく。禁止であれば、(やらないのが一番いいのでしょうが・・・)確定申告する必要のない範囲【副業の「売上-経費=所得」を年間20万円以下】におさえる。などの準備を怠らないことも大事ですね。
★ご参考:国税庁HP 「給与所得者で確定申告が必要な人」http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htm
なお余談ですが、先のドラマでは、カリスマ主婦ブロガーB子さんにも、後日、税務調査が入りました。
そして、彼女のアフィリエイト収入が、無申告および所得税未納と判断され、今まで専業主婦として配偶者控除を受けていたB子さんは、夫の所得税にも追徴がされることを知り、「夫にバレると困るんです・・・(号泣)」と自分の無知をなげく結末になっていました。
でも納税の仕組みって、一般人にはよくわからないから、A子さんやB子さんのようなことは、ありがちかも。
私たち士業も専門分野が違えば、他分野のことは、まったくの素人です。
だからこそ、一般の方にも大事なことをわかりやすく伝える、説明する・・というのは専門知識を持つ者の大切な役割だと、そんなふうにも思いました。
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