○○は顔が命、と言いますが・・・
投稿日:2010年12月22日水曜日 13時18分39秒
投稿者:社労士行政書士事務所オフィス石野 カテゴリー: 労働法のおはなし
スタッフBです♪
「役者は顔が命」
海老蔵さん事件もあって、最近よく耳にした言葉。
役者に限らず、誰しも美しいとは言わないまでも、
好感のもてる顔になりたい、
と願うものではないでしょうか。
ですが、何かの拍子に顔にケガやヤケドを負って、
ひどく顔に残ってしまったら・・・
それが、仕事中(あるいは通勤途中)のものなら労災適用ですネ。
労災保険法(施行規則・障害等級表)のなかに
「顔にとてもひどいけがや傷が残った場合、男性より女性の方が等級が高くなる」
と定められているということを知ったのは、ずいぶん前のこと。
何となく分かるような、でも、男女の区別をつけるというのも今の世の中、
なんだかなあ、と思った記憶があります。
実際、どれほど違うかというと、
「女性の外ぼうに著しい醜状を残すもの」は、第7級となり、年金が支給。
一方、
「男性の外ぼうに著しい醜状を残すもの」および「女性の外ぼうに醜状を残すもの」は、第12級となり、一時金のみ支給。
「男性の外ぼうに醜状を残すもの」は第14級で一時金。
となります。
同じ状態で、5級も差があり、しかも年金と一時金と違ってきます。
実は、この男女差について、憲法14条違反ではないか、として裁判が起こされ、
今年5月、京都地裁で男女差別規定は違憲という判決が出されました。
(ちなみに、憲法14条は、「法の下の平等」をうたっています)
原告の方は、作業場で溶解作業中にやけどを負って、ひどい痕が残った方だそうです。
15回も手術を受け、顔のみならず首、胸、腹部、背中、足などに
瘢痕が残ったそうで、本当にお気の毒です。
労災法の障害補償給付請求をしたところ、第11級と認定され、
それを不服として再審査請求したけど、それも棄却されたので、提訴したとのこと。
ところで、
現在の「障害等級表」は、昭和11年に作られたものを元にしているそうで、
70年以上前ですものね。
世の中の意識・情勢も変わり、医学も技術的に進歩しています。
女性の社会進出も進み、一方、男性の職業も多様化してきているので、
男女差をつけることが徐々におかしくなっているように思います。
今回の違憲判決を受けて、厚生労働省は、障害等級の見直しを図ることになり、
先月、専門検討会の報告書(「外ぼう障害に係る障害等級の見直しに関する専門検討会報告書」)がまとまりました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xp55-att/2r9852000000xp6m.pdf
報告書で示された「障害等級表」の案では、
・「男女」の文言が省かれ、実質的には男性が女性の等級に引き上げ。
・「著しい醜状を残すもの」(第7級)と「醜状を残すもの」(第12級)の間に、
「相当な醜状を残すもの」として第9級を新設。
などとなっており、今年度中に改正される予定だそうです。
男女差というと、社会保障の点で、他にもいくつかあります。
たとえば、遺族基礎年金(国民年金)は、妻(子のある妻)にのみ支給ですし、
遺族厚生年金は妻の年齢は関係ありませんが、
夫の場合は55歳以上という要件があり、しかも支給は60歳から。
労災法の遺族(補償)年金も妻に年齢要件はありませんが、
夫は55歳以上要件があり、60歳以上からの支給です。
(ただし、労災は一定の障害状態にあれば別)
女性への要件を引き下げることは論外ですが、時代は変わっています。
専業主夫を選ぶ男性はいますし、
子育てはママだけでするものではなくなりつつあります。
「男性が働き、女性が家庭を守る」という時代から、
「多様な生き方、社会を選ぶ」時代へ。
法律が追いつかないくらい、早いスピードで世の中が変わっているのかもしれません。
オフィス石野のHPは、コチラ → http://www.of-i.jp/
「役者は顔が命」
海老蔵さん事件もあって、最近よく耳にした言葉。
役者に限らず、誰しも美しいとは言わないまでも、
好感のもてる顔になりたい、
と願うものではないでしょうか。
ですが、何かの拍子に顔にケガやヤケドを負って、
ひどく顔に残ってしまったら・・・
それが、仕事中(あるいは通勤途中)のものなら労災適用ですネ。
労災保険法(施行規則・障害等級表)のなかに
「顔にとてもひどいけがや傷が残った場合、男性より女性の方が等級が高くなる」
と定められているということを知ったのは、ずいぶん前のこと。
何となく分かるような、でも、男女の区別をつけるというのも今の世の中、
なんだかなあ、と思った記憶があります。
実際、どれほど違うかというと、
「女性の外ぼうに著しい醜状を残すもの」は、第7級となり、年金が支給。
一方、
「男性の外ぼうに著しい醜状を残すもの」および「女性の外ぼうに醜状を残すもの」は、第12級となり、一時金のみ支給。
「男性の外ぼうに醜状を残すもの」は第14級で一時金。
となります。
同じ状態で、5級も差があり、しかも年金と一時金と違ってきます。
実は、この男女差について、憲法14条違反ではないか、として裁判が起こされ、
今年5月、京都地裁で男女差別規定は違憲という判決が出されました。
(ちなみに、憲法14条は、「法の下の平等」をうたっています)
原告の方は、作業場で溶解作業中にやけどを負って、ひどい痕が残った方だそうです。
15回も手術を受け、顔のみならず首、胸、腹部、背中、足などに
瘢痕が残ったそうで、本当にお気の毒です。
労災法の障害補償給付請求をしたところ、第11級と認定され、
それを不服として再審査請求したけど、それも棄却されたので、提訴したとのこと。
ところで、
現在の「障害等級表」は、昭和11年に作られたものを元にしているそうで、
70年以上前ですものね。
世の中の意識・情勢も変わり、医学も技術的に進歩しています。
女性の社会進出も進み、一方、男性の職業も多様化してきているので、
男女差をつけることが徐々におかしくなっているように思います。
今回の違憲判決を受けて、厚生労働省は、障害等級の見直しを図ることになり、
先月、専門検討会の報告書(「外ぼう障害に係る障害等級の見直しに関する専門検討会報告書」)がまとまりました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xp55-att/2r9852000000xp6m.pdf
報告書で示された「障害等級表」の案では、
・「男女」の文言が省かれ、実質的には男性が女性の等級に引き上げ。
・「著しい醜状を残すもの」(第7級)と「醜状を残すもの」(第12級)の間に、
「相当な醜状を残すもの」として第9級を新設。
などとなっており、今年度中に改正される予定だそうです。
男女差というと、社会保障の点で、他にもいくつかあります。
たとえば、遺族基礎年金(国民年金)は、妻(子のある妻)にのみ支給ですし、
遺族厚生年金は妻の年齢は関係ありませんが、
夫の場合は55歳以上という要件があり、しかも支給は60歳から。
労災法の遺族(補償)年金も妻に年齢要件はありませんが、
夫は55歳以上要件があり、60歳以上からの支給です。
(ただし、労災は一定の障害状態にあれば別)
女性への要件を引き下げることは論外ですが、時代は変わっています。
専業主夫を選ぶ男性はいますし、
子育てはママだけでするものではなくなりつつあります。
「男性が働き、女性が家庭を守る」という時代から、
「多様な生き方、社会を選ぶ」時代へ。
法律が追いつかないくらい、早いスピードで世の中が変わっているのかもしれません。
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