特にやばいのが、月60時間超えた場合。
4月から、企業規模にかかわらず、割増率1.5倍です。

とにかくややこしくなる。踏み倒しがばれたら大変なことになる。
固定残業は何時間分に当たるかきちんと説明できなくてはならない。

また、固定残業を超えた部分についてはきっちり払う必要もある。
営業手当、月給基本給のみが最も危険な給料だ。
おおらかな、給料管理は飼い犬に手をかまれるケースが
これからは間違いなく発生する。

ウソだと思うなら、労働基準監督署や裁判で負けて
高くついてください。家の事務所は得意先で経験済みです。

セクハラでの解雇、パワハラ解雇などが絡んでいた場合、
ずいぶん楽しいことになります。

同業者の人も甘くみないことですね。首が飛びますよ。

割増賃金
 時間外(法定労働時間を超えた時間)や深夜(原則午後10時から翌日の午前5時まで)、
法定休日に労働させた場合は、次の割増賃金を支払わなければなりません。
種類
割増率
時間外
2割5分以上(1か月60時間を超える時間は5割以上※)
深夜
2割5分以上
時間外+深夜
5割以上 = 2割5分以上(時間外分)+2割5分以上(深夜)
時間外+深夜(1か月60時間を超える時間※)
7割5分以上 = 5割以上(時間外分)+2割5分以上(深夜)
法定休日
3割5分以上
法定休日+深夜
6割以上 = 3割5分以上(法定休日)+2割5分以上(深夜)
※ 1か月60時間を超える法定時間外労働の時間に対しては、
使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならなくなります。(中小企業は猶予措置あり)
 詳細は、平成22年改正労働基準法 法定割増賃金率の引上げご覧ください。

割増賃金の基礎となる賃金
 割増賃金の基礎となる賃金には、次の賃金を含める必要はありません。
ただし、割増賃金の基礎となる賃金に含まれるかどうかは、名称でなく内容によって判断します。
家族手当
通勤手当
別居手当
子女教育手当
住宅手当
臨時に支払われる賃金
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
月給制の場合の割増賃金の計算方法
 割増賃金を計算するにはまず、割増賃金の基礎となる賃金を計算します。
その割増賃金の基礎となる賃金に割増率を掛けたものが割増賃金となります。

 月給制の場合は、賃金が月によって定められていますので、
「その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合は、
1年における1月平均所定労働時間数)で除した数」となります。
 通常、月によって所定労働時間数は異なりますので、
1年間の所定労働時間数を出してそれを12で除した時間を1か月の所定労働時間数とします。

計算方法をまとめると、
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)=(月給等)/(1年間の総所定労働時間数/12)
となります。

実際に支払うべき割増賃金額は、次の通りです。
時間外労働の場合
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(時間外労働した時間)*1.25
時間外労働の場合(1か月60時間を超える時間外労働の時間)
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(時間外労働した時間)*1.5
深夜の場合
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(時間外労働した時間)*1.25
時間外労働+深夜の場合
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(時間外労働した時間)*1.5
時間外労働+深夜の場合(1か月60時間を超える時間外労働の時間)
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(時間外労働した時間)*1.75
法定休日労働の場合
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(休日労働した時間)*1.35
法定休日労働+深夜の場合
(割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金額)*(休日労働した時間)*1.6
深夜労働の割増賃金の計算方法
※ 1か月60時間を超えない場合の例
(例1)午前9時から午後11時まで働いた場合(休憩は正午から1時間)
8時間労働+休憩1時間=午後6時までは通常の賃金となります。(時給1,000円)
午後6時から午後10時までは通常の時間外労働となり、
この時間の賃金は通常の賃金の125%です。(時給は1,250円)
午後10時から11時までは深夜業の時間外労働となり、
この時間の賃金は通常の賃金の150%です。(時給は1,500円)
(例2)午後8時から翌日午前5時まで働いた場合(休憩は午前0時から1時間)
午後8時から午後10時までは通常の賃金です。(時給1,000円)
1日8時間、週40時間を超えなければ時間外労働割増賃金にはなりません。
午後10時から午前0時と午前1時から5時までは深夜の労働となり、
この時間の賃金は通常の賃金の125%です。(時給は1,250円)
この場合の合計労働時間は、8時間ですから週40時間を超えない限り、
時間外労働割増賃金は必要ありません。
(例3)午後10時から翌日午前5時まで働いた場合(休憩は午前0時から1時間)
午後10時から午前0時と午前1時から5時までは、深夜の労働となり、
この時間の賃金は通常の賃金の125%です。(時給1,250円)
ただし、全ての労働時間が深夜業の場合、深夜の割増賃金が
はじめから給与に含まれているはずですので、割増賃金という形が発生しません。
この場合、通常の賃金=深夜業の賃金となるためです。
法定の計算方法以外の割増賃金の計算
 労働基準法では、「使用者は、法定労働時間を超えて残業をさせたり、
法定休日に労働させた場合は通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の
2割5分以上5割以下の範囲内で政令で定める率以上の割増賃金を支払わなければならない」としています。

 このことより、この割増賃金の支払に対して、
法定の算定方法と異なる算定の方法が認められるかどうかが問題となりますが、
行政解釈は、「労働基準法第37条に定める計算額以上の額の割増賃金を支払う限り、
同条に定める計算方法に従う必要はなく
、実際に支払われた割増賃金が法所定の計算方法による割増賃金を下回らない場合は、
法第37条の違反とはならない」としています。(昭24.1.28基収3947号)

 よって、割増賃金の計算方法が多少労働基準法で定める方法とは異なっていても
「金額的に下回らなければ」違法にはならないが、金額的に下回る場合は違法になります。
もともとの労働基準法の法意は、残業や休日出勤した場合は
この労働基準法37条で定められた金額を使用者に支払わせることですので、
この金額を支払わなければ違法となります。