大手旅行会社の日本旅行(本社・東京都)が、大阪労働局天満労働基準監督署から昨年、「サービス残業」の是正勧告を受け、社員延べ約2380人に、未払い賃金として総額約3億1700万円を追加支給していたことがわかった。

 支店長らが経費削減のため残業代を削っていたといい、サービス残業は勧告対象の9か月間で、計約13万2500時間(1人あたり約56時間)に及んでいた。

 同社によると、昨年1月に西日本営業本部(大阪市北区)が、同労基署の立ち入り調査を受けた。指導に基づき自主調査したところ、支店勤務などの約930人に対し2005年9、10月分の未払い賃金が約4700万円(約1万7000時間分)あった。全社でも昨年4〜10月で約1450人について計約2億7000万円(約11万5500時間分)の未払いが確認された。

 日本旅行広報室の話「指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後はきちんと対応するとともに、基本的には残業のない業務態勢に見直している」。