「ヘルパー」に業務指示・命令、ヤマダ電機に是正指導 (3/19 読売新聞)
家電量販店最大手・ヤマダ電機(本社・前橋市)の大阪市内の大型店舗で、店側が家電メーカー販売員「ヘルパー」に業務の指示・命令を行っていた問題で、大阪労働局は、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)と認定、この店舗とメーカー数社に対して是正指導した。
店側は契約関係がなく、人件費も一切負担していないヘルパーを実質、管理下に置いて従事させており、その就労実態はメーカーからの違法な労働者供給にあたると判断した。家電量販店業界は、強い販売力を背景に、メーカーから多数のヘルパーを受け入れているが、管理を巡る違法性が明らかになるのは初めて。今後、業界としても見直しを求められそうだ。
是正指導を受けたのは、大阪市浪速区の「LABI1(ラビワン)なんば」。
関係者によると、大阪労働局が1月24日に立ち入り調査した際、10社以上のメーカーのヘルパー計約200人が働いていた。同店の社員数(約270人)の約7割に相当するという。
同店は、イヤホンとマイクがセットになった無線装置の着用をヘルパーに義務付け、同装置を通じて接客などを指示。社員と同形式の社名入り名刺を支給し、顧客には社員と区別しにくい形にしていた。
また、「休日希望」を提出させ、毎月の勤務ダイヤも店側で作成していた。
こうしたことなどから、労働局は、同店が実質、ヘルパーを労務管理し、日常の業務を直接、指示・命令していたと判断。本来、管理すべきメーカーから、職業安定法44条で禁じられた労働者の提供を受けていたとして15日、同店とメーカー双方を是正指導した。法令違反を通告して改善を求める行政指導で、双方に後日、改善結果を報告するよう指示した。
同法などによると、ヤマダ電機側が指示・命令できるのは、直接雇用した社員やパート従業員らのほか、人材派遣会社と直接契約して人件費を負担する派遣労働者らに限られている。
ヤマダ電機は東証1部上場、直営・系列店は全国で300店を超える。
ヤマダ電機経営企画室の話「(是正指導を受けたかどうかも含め)一切、コメントできない」。