2007年 3月の記事一覧
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一部の社員を労働時間規制から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」について、今国会への法案提出が見送られたにもかかわらず、将来の導入に前向きな企業が4割を超すことが21日、朝日新聞社が実施した主要100社アンケートで分かった。労働時間の長さより成果に応じて処遇することなどが理由で、企業の関心の高さが浮き彫りになった。(清川卓史、足立朋子)
将来、WEが導入された場合の対応について回答したのは86社。そのうち36社(42%)が「前向きに検討したい」と答え、「導入する」の2社と合わせて積極派が44%を占めた。
「前向き」と答えた大日本印刷は「国際競争力の観点からも、より効率的で自立的な働き方を推進する必要がある」とし、可能性がある職種として「本社の中堅幹部層」などを挙げた。住友商事は「時間では測れない付加価値創造に対する処遇という観点から有益」と答え、「(要件を満たす)すべての業務が対象となりうる」。すかいらーくは検討対象を店長業務とし、店長には人件費管理や勤務シフトの決定など、相当の裁量権があるためと説明した。
「社員も納得感がある」(サービス)、「ワークライフバランスの推進につながる」(流通)など社員の利点を強調する回答もあった。
対象となる職種候補は、「研究職、開発設計エンジニア、経営スタッフ」(ソニー)など開発や営業、企画系を挙げる企業が多かった。
導入について「その他」とした中には、年収などの具体的な要件をみて検討するとの回答もみられた。
一方で「導入しない」(3%)、「導入の可能性は低い」(8%)と答えた企業もあった。「可能性は低い」とするNTT西日本は「対象者の範囲や賃金の決定方法など、労使協議の対象が多岐に及び、難航が予想される」という。
家電量販店最大手・ヤマダ電機(本社・前橋市)の大阪市内の大型店舗で、店側が家電メーカー販売員「ヘルパー」に業務の指示・命令を行っていた問題で、大阪労働局は、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)と認定、この店舗とメーカー数社に対して是正指導した。
店側は契約関係がなく、人件費も一切負担していないヘルパーを実質、管理下に置いて従事させており、その就労実態はメーカーからの違法な労働者供給にあたると判断した。家電量販店業界は、強い販売力を背景に、メーカーから多数のヘルパーを受け入れているが、管理を巡る違法性が明らかになるのは初めて。今後、業界としても見直しを求められそうだ。
是正指導を受けたのは、大阪市浪速区の「LABI1(ラビワン)なんば」。
関係者によると、大阪労働局が1月24日に立ち入り調査した際、10社以上のメーカーのヘルパー計約200人が働いていた。同店の社員数(約270人)の約7割に相当するという。
同店は、イヤホンとマイクがセットになった無線装置の着用をヘルパーに義務付け、同装置を通じて接客などを指示。社員と同形式の社名入り名刺を支給し、顧客には社員と区別しにくい形にしていた。
また、「休日希望」を提出させ、毎月の勤務ダイヤも店側で作成していた。
こうしたことなどから、労働局は、同店が実質、ヘルパーを労務管理し、日常の業務を直接、指示・命令していたと判断。本来、管理すべきメーカーから、職業安定法44条で禁じられた労働者の提供を受けていたとして15日、同店とメーカー双方を是正指導した。法令違反を通告して改善を求める行政指導で、双方に後日、改善結果を報告するよう指示した。
同法などによると、ヤマダ電機側が指示・命令できるのは、直接雇用した社員やパート従業員らのほか、人材派遣会社と直接契約して人件費を負担する派遣労働者らに限られている。
ヤマダ電機は東証1部上場、直営・系列店は全国で300店を超える。
ヤマダ電機経営企画室の話「(是正指導を受けたかどうかも含め)一切、コメントできない」。
政府は13日、地域別最低賃金の事実上引き上げを促す最低賃金法改正案など3法案を閣議決定し、通常国会に提出した。2月に国会提出済みの失業手当向けの保険料率下げを盛り込んだ雇用保険法改正案など3法案と合わせて、雇用ルール改革に向けた国会の議論が本格的に始まる。
閣議決定したのは最賃法改正案のほか、残業代の割増率を上げる労働基準法改正案、転籍や解雇など雇用のルールを明文化する労働契約法案の3つ。今回の雇用ルール改革6法案は、晩婚化・少子化の一因とされる長時間労働の是正やパート労働者など非正規社員の待遇改善が主なねらい。
厚生労働省は長時間労働を減らすための残業代割増率の引き上げについて、今通常国会に提出する労働基準法改正案に「月80時間を超える残業に50%以上の割増率」という具体的数値を明記することを決めた。当初は法律には数値を盛り込まず、政省令で定める予定だった。法律に割増率を明記して制度が簡単に変更できないようにする。
労基法改正案に割増率引き上げのほか、今は原則1日単位でしか取れない有給休暇を年間5日分、一時間単位で取得できる新制度なども盛り込んだ。「両親の介護のために5時間」などと生活に合わせ、柔軟な取得が可能になる。
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