2007年 2月の記事一覧

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07年02月27日 17時48分49秒
Posted by: mrousei
  労働者を派遣社員のように働かせながら、請負契約を装う違法な「偽装請負」について、厚生労働省は、大手メーカーなど受け入れ企業に、労働者を直接雇用するよう指導することを決めた。偽装請負が判明した時、これまでは派遣契約への切り替えを認めていたが、偽装請負で働いた期間が派遣で認められる期間を超える場合は、早期の直接雇用を指導する。企業にとって、偽装請負の最大の利点である直接雇用の回避が難しくなり、製造業で特に多い偽装請負の解消の動きが一気に加速しそうだ。
 製造業への労働者派遣は、04年3月に解禁された。派遣の立場が固定化しないよう、派遣可能期間を超えて働かせる場合、企業が労働者に直接雇用を申し込む義務も導入。製造業への派遣可能期間は、今年3月に1年から3年に延長される。

 一方、厚労省は偽装請負の改善手段として、これまで派遣契約への切り替えを認めてきた。05年10月に文書指導したキヤノン宇都宮工場の事例でも、企業側が示した06年3月以降に派遣に切り替える改善計画を認めた。1年の派遣可能期間を超えて働かせている場合は、直接雇用を指導することも可能だが、企業の負担に一定の配慮をしていた。

 しかし、製造業の派遣期間が3年になると、長年偽装請負をしていた企業が、発覚後にさらに3年間も派遣として働かせることになる。そこで今後は、直接雇用に切り替えるよう、口頭を含め、指導を厳格にしていく。厚労省は「派遣制度は製造業に定着してきており、指導を強めていく段階」としている。

 偽装請負の期間も派遣期間と見なし、労働局が直接雇用を指導した事例はすでにある。大手機械メーカー、クボタの子会社は、今年1月に偽装請負で大阪労働局の指導を受けた。このためクボタは、グループ全体の派遣労働者1400人を4月から順次契約社員にする。「行政の指導強化を受け、法令順守を徹底することにした」という。

 今後は、請負労働者が労働局に直接雇用の指導を求める動きが広がる可能性がある。人材会社も営業基盤を失うことにつながるので、法令順守の徹底を迫られる。ただし厚労省は、すでに派遣契約に切り替えて、偽装請負が解消された事例まで指導の対象とすることには慎重だ。


 〈キーワード・偽装請負〉人材会社がメーカーなどから仕事を請け負い、製品やサービスを引き渡す請負契約を装うが、実際は労働者をメーカーなどに送り込み、派遣社員のようにメーカーが直接指示したり、メーカーの社員と混在して働かせたりすること。派遣社員だと労働者派遣法に基づき、直接雇用の申し込みなど様々な義務を負うので、こうした義務を免れながら長期間働かせることを狙う。

 厚生労働省が、偽装請負で人材会社など請負事業者を文書指導した件数は、06年4〜12月の間に1403件に上り、05年度の倍以上に急増。大手メーカーなど発注業者への指導も582件と、1.6倍に増えている。
07年02月24日 12時02分36秒
Posted by: mrousei
 厚生労働省兵庫労働局は22日、労働基準法違反の疑いで、アリさんマークのテレビCMで知られる「引越社関西」(大阪市)と元姫路支店長代行(30)を書類送検した。

 昨年3月、大阪府東大阪市の阪神高速で姫路支店所属の男性運転手がトラックを居眠り運転し、車列に追突し死亡。過労と知りながら運転させた元支店長代行が道交法違反(使用者の義務違反)の罪で罰金30万円の略式命令を受け、引越社関西も昨年、道交法違反容疑で書類送検されている。

 兵庫労働局によると、元支店長代行は、従業員と「時間外労働に関する協定」を結ばないまま、死亡した運転手に労働基準法の基準を超える超過勤務をさせた疑い。

 労働基準法は1週間に40時間を超える労働を禁じている。死亡した運転手は最大で30時間半の超過勤務をしていた。

 引越社関西は「深く反省し再発を防止する」とコメントした。
07年02月21日 11時29分17秒
Posted by: mrousei

 厚生労働省の立ち入り調査で、労働基準法などに違反するとして05年に行政指導を受けたバス会社が全国で85社に上ることが分かった。規制緩和により新規参入が可能になった00年に比べて、4倍以上に増えた。大阪府吹田市で今月18日に発生した観光バス事故では、運転手の過労による居眠りが原因との見方が強まっているが、業界の競争激化による労働環境の悪化が背景にありそうだ。

 同省は毎年、内部告発や違反歴などを参考に、各地の労働基準監督署を通じてバス会社に立ち入り調査を実施。05年は調査した118社のうち85社が、労働基準法や労働安全衛生法などに違反していた。道路運送法改正で新規参入業者が増え始めた00年には20社、01年は25社、02年28社、03年72社、04年59社がそれぞれ行政指導を受けた。

 05年の主な違反内容は、労働時間(週40時間など)に関するものが56社、割増賃金関連が31社、休日関連が8社だった。また同省が自動車運転手の拘束時間などを定めた改善基準告示についても、70社が違反していた。内訳は、▽1日最大拘束時間(16時間)違反52社▽休息時間違反26社▽連続運転時間(4時間)違反15社−−などだった。

 同省労働基準局監督課は、行政指導を続けても改善が達成されない場合、検察庁に書類送検するという。同課は「調査にも限界があり、全バス会社の一部にしか目が届かないのが実情。労務管理の講習会など総合的な対策を進めたい」としている。
07年02月15日 12時05分13秒
Posted by: mrousei
 成田労働基準監督署の課長が、腰痛で労災認定され休業補償を受けていた日本航空勤務の40代の女性に「こんなに(補償を)もらって甘えるな」「みんな我慢しながら働いている」と暴言を吐き、後で謝罪していたことが14日、分かった。

 この女性が所属する労組「日本航空キャビンクルーユニオン」などが同日、記者会見して明らかにした。

 客室乗務員の女性は、4年前に重い腰痛になって労災認定された。昨年2月、労基署の課長から聴取を受けた際に「完全に痛みが取れるまで休もうと思ったら大間違いだ」と言われたという。

 さらに女性の主治医が治療を続ける必要があると診断していたのに、課長は「これ以上よくならない」と判断して補償を打ち切った。通常は別の医師の判断を聞いた上で打ち切るが、その手続きも踏んでいなかった。

 女性側がその後、成田労基署を管轄する千葉労働局に抗議。昨年10月に労働局が「不適切な発言があったことを認めます」と口頭で謝罪した。

 同労組は「労働者を守るべき立場の人が労働者を痛めつけるのは残念」と話している。

 千葉労働局は「丁寧な対応をするよう、あらゆる機会をとらえて職員に指導していく」とし、補償の打ち切りについては「プロセスを欠いていたのは事実だが、判断そのものは適切」と説明している。

07年02月14日 19時20分21秒
Posted by: mrousei
 京都市立病院(京都市中京区)で、実態は「派遣」なのに「請負」で労働者を働かせていたのは労働者派遣法違反にあたるとして、京都労働局が同市と人材派遣会社の京都支店に是正指導をしていたことがわかった。市側は「派遣と請負の違いについて認識が薄かった。『偽装請負』ではないと認識しているが、法律に沿った形にしたい」と、4月から派遣契約に切り替える。

 京都市は03年6月と04年2月、同病院の看護師や医師の出勤管理や出張手続きなどを担当する労働者2人の業務について、人材派遣会社京都支店と請負契約を結んだ。同病院では、この2人に直接指示を出したり、無償でパソコンを貸与したりしていた。

 厚生労働省などによると、請負契約の場合、労働者への指示は業者を通さなければならず、業務に必要な機械や資材は業者が準備するか職場が有償で貸さなければならない。京都労働局は昨年12月、京都市に文書で指導したという。
07年02月06日 18時16分23秒
Posted by: mrousei
 厚生労働省は中小企業向けに長時間労働是正の支援制度をつくる。法定労働時間を超える残業を可能にしている労使協定の撤廃を促し、従業員の採用増などの残業短縮策を助言したり、補助金を支給したりして後押しする。雇用ルール改革の一環で進める残業代割増率の引き上げが中小経営に与える打撃を軽減するのも狙い。ただ補助金支給には、バラマキ的な中小企業救済策という批判も出そうだ。

 新制度は4月から導入する。労働基準法は労働時間の上限を1日8時間・週40時間と定めている。労基法36条に基づいて労使であらかじめ協定(36協定)を結ばないと、上限を超える残業は違法となる。
07年02月01日 13時38分23秒
Posted by: mrousei
 安倍晋三首相は31日の参院本会議での代表質問に対する答弁で、実態は労働者派遣なのに業務請負契約を装う偽装請負について「悪質な違反が認められた事業主への厳格な対応などを徹底する」と述べ、不正常な労働状況の改善に取り組む考えを示した。共産党の市田忠義書記局長への答弁。

 また、同じ代表質問で、サービス残業について「監督指導を徹底し、労働基準法の順守を図るとともに、働き方の改革に力を注ぐ」と述べ、全廃を目指して全国の労働基準監督署などの指導を徹底する考えを示した。
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