政府は13日午前、公務員らの共済年金を会社員の厚生年金に一元化するとともに、厚生年金など社会保険の適用をパート労働者にも広げる被用者年金一元化法案(厚生年金法などの改正案)を閣議決定した。旧恩給相当分として公務員共済に投入している税金「追加費用」を削減し、公務員OB約80万人の年金額を最大10%カットすることなどが柱。同日午後に国会に提出するが、審議時間を確保するのは難しく、成立は次期国会以降となる見通しだ。

 追加費用を受けている公務員OBのうち、共済年金額が年250万円を超える人は、08年度から追加費用の27%がカットされる。ただし、削減額が年金額全体の10%以内となるよう調整する。

 労使折半の保険料率は段階的に引き上げ、公務員共済は18年に、私学共済は27年にそれぞれ厚生年金の上限と同じ18.3%にそろえる。共済独自の上乗せ給付「職域加算」は10年に廃止する。新たな上乗せ年金の創設を明記する一方で、具体案は先送りした。

 パートへの社会保険適用は、週の労働時間が「正社員の4分の3(30時間相当)以上」となっている現行基準を「週20時間以上」に緩和する。ただし、対象者を勤続年数1年以上で、月収が各種手当を除いて9万8000円以上あるパートに限る。学生は除外し、従業員300人以下の中小企業は「別の法律で定める日まで」適用を猶予する。適用拡大が始まる予定の11年9月時点で新たに適用されるパートは、十数万人にとどまるという。