2007年 4月の記事一覧
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厚生労働省は26日、従業員5000人以上の民間企業や公的機関での障害者の雇用状況(2006年6月現在)をまとめた。
障害者雇用率が最も高かったのは、カジュアル衣料の「ユニクロ」の7・42%。656・5人(障害の重度や労働時間に応じ、1人の雇用を2人分と数えたり、0・5人分と数えたりする)を雇用し、全産業の平均1・52%を大幅に上回った。
障害者雇用促進法は、企業などに障害者の最低限の雇用割合を定め、民間企業の法定雇用率は1・8%。5000人以上の企業の平均雇用率は1・79%だった。業種別では、飲食店・宿泊業2・89%、電気・ガス・熱供給1・98%などが高く、教育・学習支援業1・43%や複合サービス業1・50%などは法定雇用率に達しなかった。
雇用率の上位企業は次の通り。〈2〉日本マクドナルド(2・94%)〈3〉衣料品専門店チェーン「しまむら」(2・83%)〈4〉すかいらーく(2・82%)〈5〉パナソニックエレクトロニックデバイス(2・79%)〈6〉ダイキン工業(2・63%)〈7〉日本たばこ産業(2・56%)〈8〉松下電工(2・44%)〈9〉東京急行電鉄(2・43%)〈10〉オムロン(2・40%)
日本経団連が25日にまとめた「春季労使交渉・業種別回答一覧」の途中集計によると、定期昇給を含む賃上げ率は大手企業で1.84%(昨年は1.80%)、中小企業は1.66%(1.59%)だった。大手、中小とも前年実績を上回ったが、小幅にとどまった。労使交渉は主要企業で妥結しており、7月の最終集計も同様の結果になる公算が大きい。
25日時点で集計したのは大手企業(東証一部上場、従業員500人以上)が80社、中小企業(従業員500人未満)が161社だった。賃上げ額は大手企業が6050円で前年を127円上回った。中小企業は4314円で前年より189円多かった。
退職後1年間は競業他社に転職しないとの誓約書に違反したとして、ヤマダ電機が元男性社員に約420万円の違約金を求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。長谷川浩二裁判官は「幹部社員の競業他社への転職を一定期間制限する社内規定は有効」とし、元社員に約140万円を支払うよう命じた。
企業が社員の転職に伴う営業機密の保持に腐心する中、ライバル会社への転職について一定の歯止めをかけた形だ。
昨日(4月19日)の衆議院本会議にて、二つの労働関係法案が可決されました。雇用保険法改正案とパート労働法です。 雇用保険法改正案は元々、成立即施行とし、今年4月からの雇用保険料を変更する旨の規定を設けておりました。しかし参議院の委員会が空転している間に、施行日を参議院にて修正したため、改めて衆議院でも修正箇所の可決を得る必要が生じたものです。
早速、厚生労働省も法案成立した同日、緊急に労働政策審議会を開催し、平成19年4月1日より雇用保険料率を変更する旨の告示案の答申を得ております。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/04/h0419-2.html
また年度更新関係では、今回の施行日の遅れにより、5月21日とされていた保険料納付期限が6月中旬に延期されるという報道がなされています。申告書は23日以降に順次発送されると言われています。
早速、厚生労働省も法案成立した同日、緊急に労働政策審議会を開催し、平成19年4月1日より雇用保険料率を変更する旨の告示案の答申を得ております。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/04/h0419-2.html
また年度更新関係では、今回の施行日の遅れにより、5月21日とされていた保険料納付期限が6月中旬に延期されるという報道がなされています。申告書は23日以降に順次発送されると言われています。
最低賃金引き上げなど雇用ルール見直しに関する3法案の今国会での成立が微妙になってきた。政府・与党が厚生労働省関連の法案で優先する社会保険庁改革法案の審議入りが5月の大型連休明けにズレ込むためだ。社保庁改革法案は成立する公算だが、7月の参院選を控えて今国会の会期延長は難しい。格差是正の目玉となる雇用ルール見直しに、しわ寄せが行く格好となっている。
衆院議院運営委員会は18日の理事会で、与党が当初目指していた19日の衆院本会議での社保庁改革法案の趣旨説明と質疑を見送ることを決めた。安倍晋三首相の出席が必要とされる重要法案のため、審議入りは首相が米国と中東訪問から帰国した後の5月8日以降になる見通しだ。
日本大学医学部(東京都板橋区)付属病院で研修中に自殺した埼玉県の女性医師(当時26)について、池袋労働基準監督署が労災認定していたことが17日わかった。遺族側が「週40時間の法定時間を大きく上回る週87時間勤務があり、自殺は、過労でうつ状態になったことが原因」として労災申請し、今年2月に認められた。
厚生労働省によると、現行の臨床研修制度が始まってから、研修医の自殺が労災認定されたのは初めて。
遺族側の弁護士や父親(58)によると、女性は05年4月から日大医学部付属病院で2年間の臨床研修を始めていたが、翌年4月21日、病院から持ち出した筋弛緩(しかん)剤を自宅で注射し、死亡した。
勤務状況を調べたところ、最初に研修した救命救急センターでの勤務時間は多い週で78時間。日当直は月10回あった。夏からの消化器外科では、多い時で週87時間勤務していた。秋ごろから元気がなくなり、06年2月ごろから、疲労感や抑うつ、意欲低下などの症状を訴えた。家族には「辞めたい」「当直のない世界に行きたい」などと漏らしたという。日当直は年間77回に及んでいた。4月には研修を休みがちになり、心療内科も受診していた。
遺族側は、大学側に調査を求めたが、報告書は過重労働について触れられておらず、実態が分からなかったという。そのため同年8月、労基署に労災申請した。父親は「臨床研修制度は、数カ月ごとの診療科のローテーションで職場が変わる。研修医の労働管理をしてくれる人がおらず、酷使されてしまう。大学も当直回数を守っていない。厚労省も指導してほしい」と話している。
日大医学部庶務課は「代理人を通じて遺族と協議中なのでコメントは差し控えたい」としている。
政府は13日午前、公務員らの共済年金を会社員の厚生年金に一元化するとともに、厚生年金など社会保険の適用をパート労働者にも広げる被用者年金一元化法案(厚生年金法などの改正案)を閣議決定した。旧恩給相当分として公務員共済に投入している税金「追加費用」を削減し、公務員OB約80万人の年金額を最大10%カットすることなどが柱。同日午後に国会に提出するが、審議時間を確保するのは難しく、成立は次期国会以降となる見通しだ。
追加費用を受けている公務員OBのうち、共済年金額が年250万円を超える人は、08年度から追加費用の27%がカットされる。ただし、削減額が年金額全体の10%以内となるよう調整する。
労使折半の保険料率は段階的に引き上げ、公務員共済は18年に、私学共済は27年にそれぞれ厚生年金の上限と同じ18.3%にそろえる。共済独自の上乗せ給付「職域加算」は10年に廃止する。新たな上乗せ年金の創設を明記する一方で、具体案は先送りした。
パートへの社会保険適用は、週の労働時間が「正社員の4分の3(30時間相当)以上」となっている現行基準を「週20時間以上」に緩和する。ただし、対象者を勤続年数1年以上で、月収が各種手当を除いて9万8000円以上あるパートに限る。学生は除外し、従業員300人以下の中小企業は「別の法律で定める日まで」適用を猶予する。適用拡大が始まる予定の11年9月時点で新たに適用されるパートは、十数万人にとどまるという。
大手旅行会社の日本旅行(本社・東京都)が、大阪労働局天満労働基準監督署から昨年、「サービス残業」の是正勧告を受け、社員延べ約2380人に、未払い賃金として総額約3億1700万円を追加支給していたことがわかった。
支店長らが経費削減のため残業代を削っていたといい、サービス残業は勧告対象の9か月間で、計約13万2500時間(1人あたり約56時間)に及んでいた。
同社によると、昨年1月に西日本営業本部(大阪市北区)が、同労基署の立ち入り調査を受けた。指導に基づき自主調査したところ、支店勤務などの約930人に対し2005年9、10月分の未払い賃金が約4700万円(約1万7000時間分)あった。全社でも昨年4〜10月で約1450人について計約2億7000万円(約11万5500時間分)の未払いが確認された。
日本旅行広報室の話「指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後はきちんと対応するとともに、基本的には残業のない業務態勢に見直している」。
厚生労働省職員のミスで4月1日の施行日までに成立しなかった雇用保険法改正案は10日、参院厚生労働委員会で施行日を「4月1日」から「公布の日」に修正し、与党の賛成多数で可決された。11日の参院本会議で可決後、12日以降の衆院本会議で同意を取りつけ、ようやく成立する見通しだ。ただ、改正案に盛り込まれた雇用保険料率の引き下げは、4月1日にさかのぼって適用することとしている。
同改正案は、雇用保険料率を現行の1.6%(労使折半)から1.2%へ引き下げることが大きな柱になっている。ところが、施行日の遅れで、現在は新しい料率での納付ができないため、「4月1日〜5月21日」としていた当初の納付期間を遅れた日数分だけ延長して対応する。
4月から、離婚した際に公的年金が分割されるようになった。これにより離婚が増えるのではないかという見方もあるが、夫の年金の半分を自動的に妻が受け取れる、といった誤解もあるようだ。仕組みを正確に理解することが、まず必要だろう。
昨年の10月から今年の2月までの5カ月間、社会保険庁や全国の社会保険事務所に寄せられた離婚分割に関する相談件数は2万4500余りにも上った。具体的な年金額などの個人情報の提供を請求したのは約6000人でその86%強が女性だった。
中には、夫には月20万円近くの年金があり、その半分を受け取れると思っていた妻もいたという。厚生労働省のモデルケースでは、40年間会社勤めをした男性では基礎年金が6万6000円余りで、厚生年金(報酬比例年金)は約10万円。妻の基礎年金6万6000円余りも加えると、世帯としては月23万円程度にはなるが、分割の対象は「婚姻期間に応じた厚生年金の分」だけ。
分割割合も最大で50%であり、具体的には夫婦の合意による。男性の就職後しばらくして結婚するのが一般的だろうから、多くても月4万円程度と考えるべきだろう。妻も会社勤めをしていれば、その厚生年金の分も分割の対象となる。夫の厚生年金が8万円、妻が6万円とするとともに7万円(最大限)となる。
また夫が年金を受け始めていれば、離婚後すぐにその年金が分割される、というわけではない。妻自身が60歳になって受給権が発生していなければ、受けられない。60歳になっても、妻が「何らかの年金に25年間加入」という資格期間を満たしていないと受給権が発生しないので、夫からの年金も受けられないことになる。
さらに妻が専業主婦で、離婚時に60歳未満ならば、60歳までの間基礎年金の保険料(現在月1万4100円)を自分で納めなければならなくなる。サラリーマンの夫の保険料から妻の分も納めてくれるという“特典”がなくなるからだ。
年金分割は、単に金額を分けるというのではなく「厚生年金の加入期間を当事者間で分割する」というのが本来の趣旨だ。十分な知識を持って臨みたいものだ。
柳沢伯夫厚生労働相は5日、雇用保険法改正案に関する混乱の責任を取り、給与2カ月分を国庫に自主返納すると発表した。先月29日に採決・成立するはずだったが、同省職員が採決前に成立を前提にした文書を誤って配布。野党が問題視して採決できず、施行予定日(4月1日)前の成立が不可能となった。
武見敬三副厚労相も給与を1カ月自主返納する。厚労相は▽辻哲夫事務次官▽上村隆史厚労審議官▽太田俊明官房長▽高橋満職業安定局長▽杉浦信平官房総務課長▽宮川晃雇用保険課長の6人を文書による厳重注意処分にした。いずれも6月賞与を10%減額し、給与の10%を1カ月分自主返納する。
厚生労働省兵庫労働局(神戸市)は、全国初の民間出身の公共職業安定所(ハローワーク)所長として、元携帯電話会社幹部の大西貴子氏(54)を1日付で採用する。同労働局は、04年に裏金をめぐる公金詐欺と贈収賄事件が発覚したことから、昨年秋「公務員組織の旧弊を改めたい」と初の民間公募を発表。全国から94人(男性92人、女性2人)が応募した。
大西氏は香川県出身で大阪府在住。旧日本電電公社や旧日本テレコムなどを経てボーダフォンに入り、四国支社長や中四国営業部長を歴任し、昨年10月に退職した。2カ月程度の研修の後、明石公共職業安定所(兵庫県明石市)の所長に就く予定。同労働局は「新しい風を巻き起こしてくれると期待している」としている。
現在、兵庫労働局のほか、青森、京都、広島の3労働局でも、組織運営の刷新などを目的に、公共職業安定所長の民間公募を実施している。
加工食品中堅のフジッコ(本社・神戸市)は30日、労働基準監督署の是正勧告に従い、未払いの残業代や休日出勤手当など計約30万時間分、約7億円を従業員約790人に6月15日ごろまでに支払うと発表した。
同社によると、残業や休日出勤について社内記録と実態が違うとして昨年11月、神戸東労働基準監督署から是正勧告を受けた。同社が関連4社を含む従業員795人から聞き取りなどの調査をした結果、従業員が実際の労働時間より短く申告するなどの例が多数見つかり、そうした「サービス残業」などが昨年12月までの2年間で計約30万時間にのぼったという。
同社は「商品開発や市場開拓の段階で手間ひまを惜しまずかけるという風土があり、労使双方で管理があいまいだった。今後は意識改革と同時に、業務の効率化を進めて時間外労働の削減に取り組む」としている。
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