2007年 3月の記事一覧

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07年03月22日 16時21分37秒
Posted by: mrousei

 一部の社員を労働時間規制から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」について、今国会への法案提出が見送られたにもかかわらず、将来の導入に前向きな企業が4割を超すことが21日、朝日新聞社が実施した主要100社アンケートで分かった。労働時間の長さより成果に応じて処遇することなどが理由で、企業の関心の高さが浮き彫りになった。(清川卓史、足立朋子)

 将来、WEが導入された場合の対応について回答したのは86社。そのうち36社(42%)が「前向きに検討したい」と答え、「導入する」の2社と合わせて積極派が44%を占めた。

 「前向き」と答えた大日本印刷は「国際競争力の観点からも、より効率的で自立的な働き方を推進する必要がある」とし、可能性がある職種として「本社の中堅幹部層」などを挙げた。住友商事は「時間では測れない付加価値創造に対する処遇という観点から有益」と答え、「(要件を満たす)すべての業務が対象となりうる」。すかいらーくは検討対象を店長業務とし、店長には人件費管理や勤務シフトの決定など、相当の裁量権があるためと説明した。

 「社員も納得感がある」(サービス)、「ワークライフバランスの推進につながる」(流通)など社員の利点を強調する回答もあった。

 対象となる職種候補は、「研究職、開発設計エンジニア、経営スタッフ」(ソニー)など開発や営業、企画系を挙げる企業が多かった。

 導入について「その他」とした中には、年収などの具体的な要件をみて検討するとの回答もみられた。

 一方で「導入しない」(3%)、「導入の可能性は低い」(8%)と答えた企業もあった。「可能性は低い」とするNTT西日本は「対象者の範囲や賃金の決定方法など、労使協議の対象が多岐に及び、難航が予想される」という。
07年03月21日 20時20分39秒
Posted by: mrousei

 家電量販店最大手・ヤマダ電機(本社・前橋市)の大阪市内の大型店舗で、店側が家電メーカー販売員「ヘルパー」に業務の指示・命令を行っていた問題で、大阪労働局は、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)と認定、この店舗とメーカー数社に対して是正指導した。

 店側は契約関係がなく、人件費も一切負担していないヘルパーを実質、管理下に置いて従事させており、その就労実態はメーカーからの違法な労働者供給にあたると判断した。家電量販店業界は、強い販売力を背景に、メーカーから多数のヘルパーを受け入れているが、管理を巡る違法性が明らかになるのは初めて。今後、業界としても見直しを求められそうだ。

 是正指導を受けたのは、大阪市浪速区の「LABI1(ラビワン)なんば」。

 関係者によると、大阪労働局が1月24日に立ち入り調査した際、10社以上のメーカーのヘルパー計約200人が働いていた。同店の社員数(約270人)の約7割に相当するという。

 同店は、イヤホンとマイクがセットになった無線装置の着用をヘルパーに義務付け、同装置を通じて接客などを指示。社員と同形式の社名入り名刺を支給し、顧客には社員と区別しにくい形にしていた。

 また、「休日希望」を提出させ、毎月の勤務ダイヤも店側で作成していた。

 こうしたことなどから、労働局は、同店が実質、ヘルパーを労務管理し、日常の業務を直接、指示・命令していたと判断。本来、管理すべきメーカーから、職業安定法44条で禁じられた労働者の提供を受けていたとして15日、同店とメーカー双方を是正指導した。法令違反を通告して改善を求める行政指導で、双方に後日、改善結果を報告するよう指示した。

 同法などによると、ヤマダ電機側が指示・命令できるのは、直接雇用した社員やパート従業員らのほか、人材派遣会社と直接契約して人件費を負担する派遣労働者らに限られている。

 ヤマダ電機は東証1部上場、直営・系列店は全国で300店を超える。

 ヤマダ電機経営企画室の話「(是正指導を受けたかどうかも含め)一切、コメントできない」。
07年03月16日 05時39分02秒
Posted by: mrousei

 東京都中野区の「立正佼成会付属佼成病院」の小児科医・中原利郎さん(当時44歳)が自殺したのは、過密勤務などでうつ病になったためで、労災にあたるとして、妻、のり子さん(50)が新宿労働基準監督署を相手取り、遺族補償給付の不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。

 佐村浩之裁判長は「欠員となる医師の補充に悩んだことや過密な勤務などが原因でうつ病にかかり、自殺に及んだ」と労災を認定し、処分の取り消しを命じた。

 判決は、自殺の背景に、全国的に小児科医が不足している現状があったと指摘しており、医療行政にも影響を与えそうだ。原告代理人によると、医師の過労自殺が訴訟で認められたのは2件目で、小児科医では初めてという。

 判決によると、中原さんは1999年1月に同病院小児科部長代行に就任したが、同科医師2人の退職などに伴い、同年3月以降、後任の確保や宿直当番の調整などの業務に追われてうつ病となり、8月に病院から飛び降り自殺した。

 判決はこれら業務が「強度の心理的負荷となった」と指摘した上で、「こうした問題は、当時、小児科医が全国的に不足していたため、解決が極めて困難だった」と述べた。

 さらに、判決は「同病院の小児科の宿直勤務は、診療の多くが深夜時間帯で、十分な睡眠は確保できず、月8回の当直勤務は精神疾患を発症させる危険の高いものだった」と判断した。

 原告代理人の川人博弁護士は「判決は深刻な小児科医の労働条件に警告を発するもの」と話した。

 新宿労働基準監督署の話「上級庁と協議して今後の対応を決めたい」。
07年03月14日 12時57分56秒
Posted by: mrousei

 政府は13日、地域別最低賃金の事実上引き上げを促す最低賃金法改正案など3法案を閣議決定し、通常国会に提出した。2月に国会提出済みの失業手当向けの保険料率下げを盛り込んだ雇用保険法改正案など3法案と合わせて、雇用ルール改革に向けた国会の議論が本格的に始まる。

 閣議決定したのは最賃法改正案のほか、残業代の割増率を上げる労働基準法改正案、転籍や解雇など雇用のルールを明文化する労働契約法案の3つ。今回の雇用ルール改革6法案は、晩婚化・少子化の一因とされる長時間労働の是正やパート労働者など非正規社員の待遇改善が主なねらい。
07年03月09日 18時41分30秒
Posted by: mrousei

 厚生労働省は長時間労働を減らすための残業代割増率の引き上げについて、今通常国会に提出する労働基準法改正案に「月80時間を超える残業に50%以上の割増率」という具体的数値を明記することを決めた。当初は法律には数値を盛り込まず、政省令で定める予定だった。法律に割増率を明記して制度が簡単に変更できないようにする。

 労基法改正案に割増率引き上げのほか、今は原則1日単位でしか取れない有給休暇を年間5日分、一時間単位で取得できる新制度なども盛り込んだ。「両親の介護のために5時間」などと生活に合わせ、柔軟な取得が可能になる。
07年03月08日 23時04分13秒
Posted by: mrousei

 着服などによる弁護士の懲戒処分が昨年、前年より7件増えて過去最多の69件に上ったことが7日、日弁連のまとめで分かった。10年前の2倍を超え、うち弁護士資格を失う除名と退会命令は計5件。依頼者らからの懲戒請求も最多の1367件を記録した。司法制度改革で弁護士が急増したことなどが背景にあるとみられる。

 日弁連のまとめによると、各地の弁護士会が昨年決めた懲戒処分の内訳は、除名3件(前年比1件増)、退会命令2件(同1件減)、業務停止2〜1年4件(前年同数)、業務停止1年未満29件(前年比11件増)、戒告31件(同4件減)。

 最も重い除名となったのは、遺産分割調停で依頼者に渡すべき約6500万円を流用した東京弁護士会の弁護士、和解金など約950万円を横領した沖縄弁護士会の弁護士、同様に和解金など約930万円を着服した横浜弁護士会の弁護士。

 懲戒処分は昭和63年から平成10年まで14〜43件で推移。11年に50件台に乗り、14年に66件となった。いったん減ったが、17年以降は2年連続で増えている。

 一方、弁護士数は昭和63年が約1万3000人だったのに対し、平成17年は約2万2000人、昨年はさらに約1000人増えた。
07年03月08日 09時14分27秒
Posted by: mrousei

 厚生労働省は、日本人の平均寿命や年齢ごとの死亡率をまとめた05年の完全生命表を公表した。平均寿命は男性が78.56歳、女性は85.52歳で、前回00年の完全生命表よりもそれぞれ0.84歳、0.92歳延び、過去最高を更新した。

 完全生命表は国勢調査をもとに作成される。平均寿命は、厚労省が把握している主要国・地域の中では女性は世界一、男性は4位となっている。
07年03月02日 15時13分23秒
Posted by: mrousei
 厚生労働省は、パート労働者へ厚生年金の適用を広げる際に、会社員向けの健康保険制度への加入も同時に進める検討に入った。会社員向け健保に加入すればけがをしたときの収入補てんの現金支給などの利点はある。ただ厚労省が1日示した試算によると、妻がパートで働く会社員の世帯でパート年収が120万円なら、年5万5000円の保険料負担が新たに発生する。一部には負担の減るケースもあるが厚労省案には様々な意見が出そうだ。

 安倍晋三首相はパートへの厚生年金適用拡大を盛り込んだ厚生年金法改正案を今通常国会に提出する方針。これを受け厚労省は年金を適用する労働時間条件を現行の「週30時間以上」から「週20時間以上」に広げる検討を進めている。

 健保の加入拡大は年金の適用拡大と対象を同じにする見通し。当初は20万―30万人に絞る方向だが最終的には300万人程度が対象になる可能性がある。厚労省は「パート世帯は、年金には加入できるのに健保に入れないとの不満がある」と強調する。
07年03月01日 15時02分51秒
Posted by: mrousei
 総務省は28日、健康保険法の「被扶養者」の規定を見直すよう厚生労働省に要請した。現行は、弟や妹が年長の兄姉を健康保険の被扶養者とする場合には同居を義務付ける一方で、兄や姉が年下の弟妹を被扶養者とするケースでは同居の必要はなく、この「同居要件」の撤廃を求めた。総務省は「弟妹と兄姉で差をつける合理性がない」と強く指摘している。

 健保法は、健康保険の被扶養者の範囲を、被保険者の父母や配偶者、子供らのほか「弟妹」と規定。兄姉が弟妹を被扶養者とする場合は弟妹が兄姉に「生計の維持」をされていることが条件となるが、弟妹が兄姉を被保険者にする際には「兄姉ら年長者は本来自活すべきだ」(厚労省)との立場から「生計の維持」と「同居」の2条件を満たすよう義務づけてきた。

 総務省の改正要望は昨年2月に寄せられた女性会社員からの行政相談がきっかけ。この女性は重度の知的障害を持つ兄を自分の健康保険の被扶養者にするため実家に同居中で、「通勤に約2時間かかるなど支障が出ている」として見直しを求めた。
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