★ 納税者の権利救済の実態は?納税者の勝率は? ★
投稿日:2011年01月16日日曜日 23時57分12秒
投稿者:社会保険労務士・税理士 溝江 諭 KSC会計事務所 カテゴリー: General
札幌市豊平区の 社会保険労務士・税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。
税務署長などが行った課税処分や滞納処分に不服があるとき、納税者にはどのような権利救済の手続きがあるか御存知ですか?
国税には、次のような救済手続きが用意されています。
① 税務署長等に対して行う異議申立て
納税者の正当な権利や利益を簡易かつ迅速に救済するための手続であり、裁判所に訴訟を提起する前に行う「不服申立て」の一つです。処分があったときから2か月以内に行う必要があります。
② 国税不服審判所長に対して行う審査請求
①と同様の「不服申立て」の一つです。審査請求は、原則として異議申立てを行ってからでないとすることができません。税務署長等の異議決定ががあったときから1か月以内に行う必要があります。
なお、審判所の裁決によって、納税者が本来の処分より不利になることはありません。また、その裁決は、行政部内における最終判断とされるため、行政を担う税務署長等は、その裁決に不服があったとしてもこれに従わざるを得ず、訴訟に持ち込むことはできません。つまり、納税者が勝つとそれで確定となり、税務署長等はそれに従わざるを得ないのです。
③ 裁判所に対しての訴訟
審査請求に対する裁決になお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。訴訟は裁決があったときから6か月以内に行う必要があります。なお、我が国の裁判は三審制度であり、まず地方裁判所、次に高等裁判所、最後に最高裁判所で戦うことになります。
なお、地方裁判所で納税者が勝っても、納税者は安心できません。国はその上の高等裁判所、最高裁判所まで戦うことがあるからです。このため、裁判は長期化する傾向にありますので、納税者には戦い続けるという強い決意が必要とされます。
平成21年度の権利救済の状況は次のようになっています。(注1)
① 異議申立
異議申立処理件数は4,997件(課税関係4,081件、徴収関係916件)で、このうち新たな事実が把握されたことなどにより納税者の主張の全部又は一部が認められた割合は約11.8%です。取消割合は前年度から3.0ポイント増加しました。
② 審査請求
審査請求処理件数は2,593件(課税関係2,311件、徴収関係282件)で、このうち請求の全部又は一部が認められた割合は約14.8%です。取消割合は前年度から0.1ポイント増加しました。
③ 訴訟
終結件数は320件(課税関係250件、徴収関係61件、審判所関係9件)であり、このうち納税者の請求の全部又は一部が認められた割合は5.0%となっています。国側の敗訴割合は前年度から5.7ポイント減少。過去10年間で、最も低い割合となりました。
もちろん、これらの権利救済まで至ることなく、納税者と課税庁との話し合いで、納税者に有利な結末を迎えた例もたくさんあります。それは、納税者の強い意思と税務代理人である税理士の法的理論構成力によるものです。
法の精神に基づかない納税者側からの無闇な主張は論外ですが、しっかり勉強している税理士ならば、納税者の正しい主張を法的に理論構成し、交渉シナリオを作成した上で、課税庁との交渉に臨み、納税者の主張を展開します。
そのためには、納税者は自分の権利を擁護してくれるしっかりした税理士を顧問に据えるべきです。
それでもなお、課税庁が理不尽な処分をしてきたときは、上記のような権利救済手段に訴えましょう。
当事務所では、善良な納税者にとって大きな精神的・経済的負担となる「税務調査」自体をできるだけ回避するため、「書面添付」制度を活用しています。
http://www.ksc-kaikei.com/use/
また、税務調査時の税務署からの指摘事項の中に、誤りや無理難題があると当事務所が判断したとき(ほとんどはこのケースに該当しますが)は、安易な妥協はしません。税法の該当条文とその趣旨、会計基準、会計慣習等を根拠として、納税者であるお客様の権利を守るため徹底的に戦います。これも顧問税理士としての重要な使命と考えているからです。
http://www.ksc-kaikei.com/use/
(注1)平成21年度における不服申立て及び訴訟の概要
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/fufuku/index.htm
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★年金型生保、最高裁判決の問題点を提起します。
◎これは二重課税の問題ではない!分割払いの年賦金ではないのか?!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 1 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=73
◎現行法では、2年目以後の果実部分(運用益)への課税もできない!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=74
◎判決が及ぼす影響は税制だけに限らない!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 3 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=75
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TKC全国会会員
税理士・社会保険労務士・行政書士 溝江 諭 KSC会計事務所
Tel 011-812-1672 http://www.ksc-kaikei.com/
札幌学院大学 客員教授 税務会計論担当(学部)
税務会計論演習担当(大学院)
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税務署長などが行った課税処分や滞納処分に不服があるとき、納税者にはどのような権利救済の手続きがあるか御存知ですか?
国税には、次のような救済手続きが用意されています。
① 税務署長等に対して行う異議申立て
納税者の正当な権利や利益を簡易かつ迅速に救済するための手続であり、裁判所に訴訟を提起する前に行う「不服申立て」の一つです。処分があったときから2か月以内に行う必要があります。
② 国税不服審判所長に対して行う審査請求
①と同様の「不服申立て」の一つです。審査請求は、原則として異議申立てを行ってからでないとすることができません。税務署長等の異議決定ががあったときから1か月以内に行う必要があります。
なお、審判所の裁決によって、納税者が本来の処分より不利になることはありません。また、その裁決は、行政部内における最終判断とされるため、行政を担う税務署長等は、その裁決に不服があったとしてもこれに従わざるを得ず、訴訟に持ち込むことはできません。つまり、納税者が勝つとそれで確定となり、税務署長等はそれに従わざるを得ないのです。
③ 裁判所に対しての訴訟
審査請求に対する裁決になお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。訴訟は裁決があったときから6か月以内に行う必要があります。なお、我が国の裁判は三審制度であり、まず地方裁判所、次に高等裁判所、最後に最高裁判所で戦うことになります。
なお、地方裁判所で納税者が勝っても、納税者は安心できません。国はその上の高等裁判所、最高裁判所まで戦うことがあるからです。このため、裁判は長期化する傾向にありますので、納税者には戦い続けるという強い決意が必要とされます。
平成21年度の権利救済の状況は次のようになっています。(注1)
① 異議申立
異議申立処理件数は4,997件(課税関係4,081件、徴収関係916件)で、このうち新たな事実が把握されたことなどにより納税者の主張の全部又は一部が認められた割合は約11.8%です。取消割合は前年度から3.0ポイント増加しました。
② 審査請求
審査請求処理件数は2,593件(課税関係2,311件、徴収関係282件)で、このうち請求の全部又は一部が認められた割合は約14.8%です。取消割合は前年度から0.1ポイント増加しました。
③ 訴訟
終結件数は320件(課税関係250件、徴収関係61件、審判所関係9件)であり、このうち納税者の請求の全部又は一部が認められた割合は5.0%となっています。国側の敗訴割合は前年度から5.7ポイント減少。過去10年間で、最も低い割合となりました。
もちろん、これらの権利救済まで至ることなく、納税者と課税庁との話し合いで、納税者に有利な結末を迎えた例もたくさんあります。それは、納税者の強い意思と税務代理人である税理士の法的理論構成力によるものです。
法の精神に基づかない納税者側からの無闇な主張は論外ですが、しっかり勉強している税理士ならば、納税者の正しい主張を法的に理論構成し、交渉シナリオを作成した上で、課税庁との交渉に臨み、納税者の主張を展開します。
そのためには、納税者は自分の権利を擁護してくれるしっかりした税理士を顧問に据えるべきです。
それでもなお、課税庁が理不尽な処分をしてきたときは、上記のような権利救済手段に訴えましょう。
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また、税務調査時の税務署からの指摘事項の中に、誤りや無理難題があると当事務所が判断したとき(ほとんどはこのケースに該当しますが)は、安易な妥協はしません。税法の該当条文とその趣旨、会計基準、会計慣習等を根拠として、納税者であるお客様の権利を守るため徹底的に戦います。これも顧問税理士としての重要な使命と考えているからです。
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(注1)平成21年度における不服申立て及び訴訟の概要
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/fufuku/index.htm
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★年金型生保、最高裁判決の問題点を提起します。
◎これは二重課税の問題ではない!分割払いの年賦金ではないのか?!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 1 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=73
◎現行法では、2年目以後の果実部分(運用益)への課税もできない!
≪年金型生命保険の二重課税、最高裁判決の問題点 2 ≫
http://www.ksc-kaikei.com/blog/index.cgi?no=74
◎判決が及ぼす影響は税制だけに限らない!
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税務会計論演習担当(大学院)
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