雇用保険法の一部を改正する法律が施行されました。

休業開始後
6ヶ月間の育児休業給付の支給率が、
従来の休業開始時賃金月額の
50%から67%に引き上げられました。

しかも、夫婦が交替で育休を取得する事で、
育休期間のほとんどを
67%の支給率でカバーする事が可能になりました。

わざわざ、引上げ期間を全期間ではなく、6ヶ月に区切っているのには、
支給率を上げると言うだけではなく、
もう一つの意図があります。

それは、男性の育休取得促進です。

男性の育休取得率は、
2010年度1.35%、2011年度2.63%、2012年度1.89%と低水準にとどまっています。

この様な状況から企業としても、
男性の育休取得を大きな課題とは捉えていませんでした。

しかし、今回の改正で、状況が徐々に変化する可能性が出て来ました。

従来の制度では、夫婦間で賃金の安い方が育休を取得するのが、金銭的には有利でした。

しかし、支給率が7ヶ月目からは67%が50%に低下するとなると、
必ずしもそうとばかりは言えなくなりました。

また、雇用法の改正に足並みをそろえる様に、
20144月から産休期間中の保険料免除制度もスタートしました。

これにより、出産から育休期間の社会保険料や所得税の負担がなくなり、
夫婦の収入を、可処分所得で比較する必要が出て来ました。

詳細は割愛しますが、
67%の支給率を優先した方が、手取り額に有利に働く傾向があります。

今回の改正で、男性の育休取得率が高まるだけではなく、
取得期間が
3ケ月から6ヶ月に伸びる可能性があります。

その場合に欠員をどのように補うのか。

育休者の代替要員の確保や復職前後のサポートといった、
人事施策を検討して置く必要があると思います。

就業規則や諸規程の見直しも迫られる事に成ります。

育休を他山の石として、
眺めるだけの時代は終わろうとしているのかも知れません。