育児休業給付の支給率改正で、他山の石では済まなくなった男性の育休制度
投稿日:2014年04月30日水曜日 20時14分24秒
投稿者:中谷社会保険労務士事務所 カテゴリー: General
雇用保険法の一部を改正する法律が施行されました。
休業開始後6ヶ月間の育児休業給付の支給率が、
従来の休業開始時賃金月額の50%から67%に引き上げられました。
しかも、夫婦が交替で育休を取得する事で、
育休期間のほとんどを67%の支給率でカバーする事が可能になりました。
わざわざ、引上げ期間を全期間ではなく、6ヶ月に区切っているのには、
支給率を上げると言うだけではなく、
もう一つの意図があります。
それは、男性の育休取得促進です。
男性の育休取得率は、
2010年度1.35%、2011年度2.63%、2012年度1.89%と低水準にとどまっています。
この様な状況から企業としても、
男性の育休取得を大きな課題とは捉えていませんでした。
しかし、今回の改正で、状況が徐々に変化する可能性が出て来ました。
従来の制度では、夫婦間で賃金の安い方が育休を取得するのが、金銭的には有利でした。
しかし、支給率が7ヶ月目からは67%が50%に低下するとなると、
必ずしもそうとばかりは言えなくなりました。
また、雇用法の改正に足並みをそろえる様に、
2014年4月から産休期間中の保険料免除制度もスタートしました。
これにより、出産から育休期間の社会保険料や所得税の負担がなくなり、
夫婦の収入を、可処分所得で比較する必要が出て来ました。
詳細は割愛しますが、
67%の支給率を優先した方が、手取り額に有利に働く傾向があります。
今回の改正で、男性の育休取得率が高まるだけではなく、
取得期間が3ケ月から6ヶ月に伸びる可能性があります。
その場合に欠員をどのように補うのか。
育休者の代替要員の確保や復職前後のサポートといった、
人事施策を検討して置く必要があると思います。
就業規則や諸規程の見直しも迫られる事に成ります。
眺めるだけの時代は終わろうとしているのかも知れません。
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