2015年 11月の記事一覧
先般、『就業規則改定のポイント』と題して、
中小企業事業主向けのセミナーを開催しました。
その中で、法令改正に付いても、ご照会したのですが、
余りに多くの法令が改正されていることを知り、
皆さん驚かれた様です。
特に、来年4月に施行予定の改正労基法に於いては、
フレックスタイム制度の清算期間を3ヶ月に拡張するなど、
魅力的な変更もありますが、
頭の痛い改正もあります。
長時間労働抑制の為、
大企業で実施されてきた月60時間を超える超過勤務に対する割増50%加算が、
平成31年4月1日から中小企業にも広げられる事が明記されました。
一方、安倍政権の『1億総活躍社会の実現』に関連し、
最低賃金の目標を全国平均で1,000円とすることが盛り込まれ
毎年3%程度引き上げて行く事に成りました。
この事は、1日5時間、週4日働くパートさんの場合で87,000円以上。
フルタイムのパートさんが残業がない場合で
174,000円以上の賃金を支払う時代が来ると言う事です。
そして、超過勤務をした場合の割増賃金は、これを基準に計算されます。
パートさんを多く抱える企業、残業の多い中小企業の経営者は、
経営の根本から見直す事が必要だと思います。
今回のセミナーでも力説したのですが、
①残業の発生状況、人員の配置状況などの就業実態を詳細に再調査すること。
②残業の削減、業務効率の改善に向けた全社的な対策に取組むこと。
③労働法令の原則と特例に付いて熟知して、残業代の適正化設計に取組むこと。
これらの対策を織り込んだ就業規則の見直しは、
これからの中小企業の経営には、必須の要件だと考えています。
11月に入り、紅葉の便りも、頻繁に届くようになりました。
あと10日もすると、九州でも紅葉の見頃を迎えると思うと楽しみですね。
そんな中、北九州市に於いてもマイナンバーの通知が始まりました。
当事務所では10月中、
顧問先様へのマイナンバー研修を、連日実施して来ました。
あと少しで一巡するところまで来ましたので、
何とか間に合ったと胸を撫で下ろしているところです。
さて、鳴り物入りで始まったマイナンバー制度ですが、
今後どのような変化を社会にもたらすのでしょうか。
行政機関の多くがマイナンバーで紐付される事で、
多くの申請手続きの際、住民票や課税証明等の添付が不要になり、
国民の利便性が向上することは、よく言われる所です。
近い将来、
金融機関の顧客情報、病院などの健康情報、警察署所管の運転免許証情報なども
紐付されると言われています。
タンス預金が増えるのではないか、
個人情報の全てを国に管理され、
税金を厳しく取り立てられるのではないか等との話もありますが、
良い事も起こりそうです。
現代人の財布には、
多くのカードの収納スペースが用意されています。
私なども、
どのカードをどのスペースに入れておくべきか時々悩まされます。
もしも、マイナンバーカードを携帯することで、
運転免許証や健康保険証、印鑑登録証等の携帯が不要になれば、
財布もかなりすっきりするのではないでしょうか。
将来の年金受給に対する不信をくちにする若い人たちも、
ご自分の年金受給額がチェックできるよう乃なれば、
少し考えも変わるのではないでしょうか。
60歳を迎えて
年金の裁定請求することも簡単になるようです。
そして、あらゆる手続きがインターネットを通して可能になる、
電子政府の実現もまんざら嘘ではない様です。
しっかりアンテナを張って、活用して行きたいものです。