2014年 7月の記事一覧
日本版ホワイトカラーエグゼンプションなど、
今後の労働時間規制の緩和に関する議論が
厚生労働省労働政策審議会(労働条件分科会)で始まりました。
7月7日開催の分科会で配付された
「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会における議論の状況
」という資料の中で、
「多様な正社員」の活用が考えられるケース等が挙げられていましたので
簡単にご紹介します。
「多様な正社員」とは、
「限定正社員」とも呼ばれ、
主に「勤務地」「職務」「勤務時間」などが限定された社員のことを指します。
活用が考えられるケースとして、
勤務地限定正社員については、
「育児、介護等の事情により転勤が困難な者や地元に定着した就業を希望するケース」
「改正労働契約法のいわゆる無期転換ルールによる転換後の受け皿として活用するケース」等が挙げられています。
職務限定正社員については、
「金融・IT などで専門性が高く特定の職能内でのプロフェッショナルとしてのキャリア形成が必要なケース」、
また、勤務時間限定正社員については、
「育児、介護等の事情により長時間労働が困難な者が就職・就業を継続し、能力の発揮が可能なケース」等が挙げられています。
すでに突入しつつある慢性的な人手不足の時代において、
「多様な正社員・限定正社員」の活用が非常に大きな役割を果たすと言われています。
最近、『従業員の確保が難しくなった。』と言う、
事業主の声をよく聞きます。
これからは、
従業員の働きやすい環境をいかに提供できるかが、
企業発展のカギになると思います。
バブル崩壊後の建設需要の落ち込み、
20年を超える景気の低迷の中、
日本の建設業は衰退の一途を辿って来ました。
この間、若者の職業選択における建設業離れが進み、
同時に技術労働者の高齢化、技術継承の空洞化が進んでいます。
一方、震災復興需要に加え東京オリンピック特需、
アベノミクスに後押しされた国土強靭化計画により、
今建設業界は、空前の特需に沸いています。
しかし、建設技術者の高齢化は深刻で、
技術者不足による事業の停滞が顕著になって居ます。
このまま若者の建設業離れが続けば、
建設業界の存続が危ぶまれる様な状態です。
福岡県としてもこの状態を放置できず何とか改善を促そうと、
『建設業若年人材集中確保事業』を企画、
今般、我が福岡県社会保険労務士会に業務委託がありました。
福岡県社会保険労務士会としては、
当面の対策として、福岡県下で計8回の雇用管理研修を実施する事となりました。
同時に社労士会より依嘱された会員社労士がアドバイザーとなり、
県下の建設業者を訪問して雇用管理に関する指導をする事と成りました。
当事務所も雇用管理アドバイザーとしてこれに加わる事となりました。
また、来る8月12日の黒崎ひびしんホールにおける雇用管理研修では、
講師を務める事となりました。
雇用管理研修では、
①募集・採用・配置
②雇用契約
③就業規則
④賃金管理
⑤社会保険
⑥教育訓練
これらの講義項目を各1時間ずつ、計6時間の講義を予定しています。
正直、講義する方もそれなりの体力を消耗しそうですが、
研修を受けられる建設会社の方々も大変だと思います。
疲れたが、それなりに面白みもあり、
今後、若年労働者を育成していくうえで良い参考になったと言って頂けるよう、
今から準備を進めているところです。
ちなみに8月12日は、私の誕生日でもあります。
蛇足でした。
「自動車運転死傷行為処罰法」が5月20日より施行され、
飲酒や薬物の影響で事故を起こした場合の罰則が強化されました。
通行禁止道路の高速走行やアルコールや薬物の摂取、
特定の病気の影響で正常な運転に支障が出るおそれのある状態で運転し、
人を死亡させた場合に懲役15年以下、
人を負傷させた場合に懲役12年以下とする規定が盛り込まれています。
現行刑法の「危険運転致死傷罪」の適用範囲が狭すぎるとして批判があったことを受け、
刑法から自動車事故に関連する規定を分離して成立しました。
本法における「特定の病気」には
統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、
てんかん、低血糖症、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害等が含まれ、
運転に必要な能力を欠いている場合や、
意識障害、運動障害を再発するおそれがある場合に、適用されることとなっています。
また、「通行禁止道路の高速走行」としては、
車両通行止め道路、
歩行者専用道路、
自転車および歩行者専用道路、
一方通行道路の逆走、
高速道路の逆走等が対象です。
さらに、アルコールや薬物の摂取により、
正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転したケース、
アルコールや薬物の影響で、
死傷事故を起こした場合に、
その影響をごまかすために、
事後にアルコールや薬物をさらに摂取したり、
現場を離れてアルコール濃度などを減少させたりしたケースも、
処罰の対象となります。
企業においては、
従業員に対し新法の施行について周知するだけでなく、
特定の病気に罹患している従業員の有無の確認や、
該当者がいた場合の対応のほか、
就業規則、自動車通勤や
社用車運転に関する社内規程等の見直しを検討する必要があります。