2014年 3月の記事一覧
厚生労働省の来年度方針が続々と明らかになっています。
自社の労務管理の方向性を見直すうえで参考にしてみてはいかがでしょうか。
□65歳までの雇用が原則義務化され、
高齢者の賃金設計とそれに伴う全体的な賃金制度の見直しを実施・検討する企業が増えています。
厚生労働省は、65歳までの雇用義務化等を背景に、
基礎年金の保険料納付期間を延長する考えを示しています。
来年の通常国会での法改正を検討しているようです。
□「限定正社員」という呼ばれ方もしますが、
職種、勤務地、労働時間等が限定的な「多様な形態による正社員」が注目されています。
多様な形態の正社員の賃金・昇進等については、
すでに実践している企業の例と今後の制度整備の動向等を見ながら、就業規則等の整備を検討していく必要があるでしょう。
□厚労省は、労働行政の方針を踏まえ、次の助成金について、力を入れていくようです。
/キャリアアップ助成金
/労働移動支援助成金
/トライアル雇用奨励金
/育児休業からの職場復帰を支援
:キャリア形成促進助成金における育休取得能力アップコース(仮称)
□労働基準監督官の増員が計画されており、
また、従来通り、サービス残業是正を始めとする割増賃金の適正な支払いや
違法な時間外労働の是正等を実施していくとしています。
部下の長時間労働や年次有給休暇取得の状況を
上司の人事評価に反映させるといった会社での取組みも必要でしょう。
□平成25年度は、
身体障害者、知的障害者、精神障害者のいずれも雇用者が増加しています。
大手企業では4年後の障害者雇用率に関する改正等をにらみ、
発達障害を持つ方を採用したいというニーズが高まっています。
今月の当事務所のお勧め図書
『ついていきたいと思われるリーダーになる51の考え方』は、
私自身、少し胸が痛みます。
若かりし日に管理職を務めた自分を、
今に成って振り返ると、
恥ずかしい事ばかりしていたように思います。
日頃より企業の『社員満足度診断』をさせて頂くと、
管理職の言動が部下のモチベーションに大きく影響して居る事を実感します。
また、メンタルのバランスを失って去っていく社員の話も多くありますが、
この問題にも影を落としているように思います。
何故、古今東西管理職と呼ばれる人たちが
同じ過ちを繰り返すのか。
原因のひとつは、
おそらく各企業の社員に対する評価の基準にあるのではないかと考えています。
根拠のあいまいな能力主義や、
結果偏重の成果主義、
最近注目を集めている役割主義などの
評価制度を取っている企業は多いと思います。
その中で、管理職も一元的な評価基準で評価されます。
自分の地位を守り、
さらに次の段階に進む事は、誰にとっても重要です。
管理職が上層部の評価に囚われて、
部下を自分の道具にしてしまう。
この様な出来事も、
その管理職を責めてばかりは居られないかもしれません。
人が人を評価する事は、
想像以上に難しい事です。
一方で、多くの社員は、
自分自身を適正に評価してほしいと望んでいます。
納得のいかない評価や処遇がモチベーションを押し下げます。
社員のモチベーションが下がれば、
業務の精度は目に見えて落ちて行きます。
その事は職場の不和を呼び、
業績にも大きな影響を及ぼします。
この悪循環を断ち切り、
納得性の高い評価と処遇で社員のモチベーションを上げ、
活気のある職場環境を醸成して業績を向上させる。
そこで得た利益を処遇に反映させて、
さらに社員のモチベーションを上げる。
この好循環を生み出す為には、
最近一部の企業で取入れられている
『総合評価型人事制度』を導入し、
社員の持てる能力に対し、
能力、役割、成果のそれぞれの観点から、
調和のとれた評価をする事が重要だと考えています。