2012年 11月の記事一覧

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12年11月26日 23時16分04秒
Posted by: kitakyushu
今年の年末は、野田首相の解散宣言で、一気に総選挙モードに突入しましたね。

ずるずると据え置きになって居た、特例公債法案も即日可決されました。

この特例公債保安の可決で、多くの自治体が息を吹き返す状況ですが、実は、助成金にも大きな影響が出ています。

人気の助成金のひとつだった業務改善助成金の受付が再開されました。

事業所の最低賃金を4年以内に800円以上に増額する計画を提出した企業に、その為の対策費用の1/2かつ上限100万円を、最大で3年間300万円を助成するという、あの助成金です。 

なんと資金不足でその受付が停止されていました。
それが、めでたく受け付け再開となったのです。

☆従業員4名のA社(介護事業):
パソコン購入・事務所の内部造作予算50万円⇒助成金25万円獲得

☆従業員4名のC社(サービス業):
営業車購入予算264万円⇒助成金100万円獲得

☆従業員19名のD社(小売業):
フォークリフト・昇降機導入予算299万円⇒助成金100万円獲得

その他、生産管理システム導入で100万円獲得、

四色印刷機導入で100万円獲得、

漢方薬自動煎じ機導入で100万円獲得、

賃金設計のコンサルティングと就業規則作成で35万円獲得など、等…  。
 
この助成金は最低賃金700円未満の都道府県に対して企画された助成金なのですが、福岡県の最低賃金は701円になりました。

結果、来年度はこの助成金の対象都道府県になるかどうかは、全く不明となりました。

労働局では、年度内の申請については受け付けると言っていますが、手続き上労働局への計画申請は、来年2月の初旬までにしないと、年度内の手続きが難しいとの事です。

設備投資、業務改善をお考えの企業様は、早急に検討されてはいかがでしょうか。
12年11月21日 18時38分03秒
Posted by: kitakyushu
(^ム^) 先生こんにちわ。近くに来たので、ちょっと立ち寄りました。

( ^u^ ) アッ、山田社長いらっしゃい。良い天気ですね。

(^ム^) イヤー良い天気ですね。今時には珍しく、暖かくて良い日和です。

お天気に誘われて、散歩のついでに寄ったのですよ。

§*_*§ 山田社長さん。いらっしゃい。今日もお元気そうですね。

本当は、先生の話のつづきが聞きたくて、来られたのでしょう。

(^ム^) ハッハッハ。図星。図星。美咲ちゃんには、ごまかしは通じませんね。
実は、この間の話の続きが気になって、じっとして居られなかったのですよ。

§*_*§ やっぱり…。本当は、私も聞きたかったのです。

( ^u^ ) お二人にそう言われると、何か話さなくてはいけませんね。

そう言えば、社長の工場で、工場長をなさっている木下さんは、かなり社会保険料を払っているのではありませんか。

(^ム^) 勿論です。大企業さんの様にはいきませんが、工場を取り仕切ってもらっていますから、精一杯出しています。

私の会社では、一番の高給取りですから、社会保険料も一番高いです。

( ^u^ ) なるほど。では、工場長さんに当てはまるかどうかは別として、今日は、管理職の給与体系について、お話ししましょうか。

§*_*§ 興味津々。シン…シン…

(^ム^) ほんと。興味津々です。先生、よろしくお願いします。

( ^u^ ) 解りました。美咲ちゃんも電卓をもって、協力してくださいね。

§*_*§ は~い。頑張ります。フフフ。

( ^u^ ) 社長のところの工場長さんが、一番の高給取りの様に、一般的に管理職の方の給与は、他の方の給与より高いのが普通ですよね。

その分、社会保険料も高くなります。

そこで、管理職の方の一層のやる気を出させつつ、社会保険料の節約をして、ご本人の手取りを増やす方法がないかと、どちらの会社でも考えているのではないでしょうか。

(^ム^) そんな方法があれば、すぐにでも取り入れたいですよ。
先生、そんな都合の良い方法があるのですか。

( ^u^ ) そうですね。企業と言うのは当然ながら、様々な組織体制になっていますから、どこにでも上手くいくとは言えないかもしれませんが、一つの方法として、お話ししましょうか。

例えば、月々の給与が50万円、年2回のボーナスが各50万円で、年間700万円の報酬の管理職がいたとします。

では、美咲ちゃん。計算をお願いします。
月々の給与に対する、健康保険料と厚生年金保険料は幾らに成りますか。

§*_*§ え~と。給与が50万円と言うことは、標準報酬の表を見ると…。
先生、標準報酬も同じ50万円ですから、健康保険料は月々50,600円、厚生年金保険料は月々83,830円です。

( ^u^ ) そうですね。では、その金額の12ヵ月分と賞与の50万円2回分に対する保険料を計算してください。

§*_*§ お給料の分が、1,613,160円、ボーナスの分が2回で268,860円です。
すごい、私のお給料と、あまり変わらないくらい払っているのですね。すごい。

( ^u^ ) 会社とご本人で、1,882,020円ですから、それぞれ、941,010円負担して居る事になります。

会社は、報酬のほかに約94万円負担し、ご本人も約94万円負担しています。

(^ム^) あらためて、具体的に聞くと、すごい金額です。

( ^u^ ) そこで、本来の管理職の在り方に付いて、考えてみようと思います。

管理職と言えば、社長・役員についで、会社の盛衰を担う、重要なポストです。

経営者は、自分たちと変わらない経営意識を持ってほしいと、期待しているのではないでしょうか。

少なくとも、業績の向上失くしては、好待遇は得られない事、好待遇を得る為には、まず業績のアップが必要な事は、十分理解している方々であるはずです。

そこで、管理職については、固定給制にします。
そして会社への貢献度に応じてボーナスを払う事にします。

つまり、月々の給与をそれぞれのランク毎に一定にして、各管理職の頑張りに対する評価については、担当部門の業績を見て、大幅なボーナスを可能にする。
そんな給与体系にしてみては、いかがでしょうか。

当面、現在の年収は、補償すると言うことで、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

業績を評価してもらって、大幅なボーナスのアップが可能になるのなら、やる気のある管理職は、喜ぶと思います。

(^ム^) なるほど。実力主義ですね。

§*_*§ でも、頑張ったのに、成績が上がらない場合は、お給料は減るのですか。
ちょっと、かわいそう。

( ^u^ ) そうならない様に、管理職の評価制度はきちんと作らなければなりませんね。

そして、良く説明して、管理職の方々に理解を深めてもらうことが、前提です。

では、先程の方の給与を、思い切って月額30万円、ボーナス170万円の2回にしてみましょう。

年収は700万円で、変化ありません。

美咲ちゃん、月額30万の方の社会保険料は幾らになりますか。

§*_*§ え~と。30万円の人は、健康保険料が30,360円で、厚生年金保険料が50,298円ですから、合計で年間967,896円です。

( ^u^ ) ボーナスにも社会保険料が掛かりますから、こちらの計算もお願いします。

アッ、ちょっと待ってくださいね。

健康保険料は、170万円に料率を掛けるのですが、厚生年金保険料は1回の上限が150万円ですから、150万円に料率を掛けて下さいね。

§*_*§ 先生、ボーナスの社会保険料は、健康保険料が1回に付き172,040円、厚生年金保険料は251,490円ですから、年間847,060円になります。

( ^u^ ) そうすると、月々の給与にかかる保険料が967,896円で、ボーナスにかかる保険料が847,060円に成りますね。

合計で1,814,956円と言うことですね。

給与が月額50万、ボーナスが各50万円の時との、保険料の差はいくらに成りますか。

§*_*§ さっきは、1,882,020円でしたから…、先生、67,064円も安くなります。

( ^u^ ) つまりこの場合、会社は33,532円の経費節減に成り、ご本人は33,532円も手取りが増える事に成りますね。

もし、同様の管理職が5人居たら約33万、10人居たら約67万円の節約に成ります。

10年たつと、330万、670万の節約に成ります。

(^ム^) 先生、そんなに違うのですか。すごいです。

工場長の給料を、さっそく減らします。

( ^u^ ) 山田社長、ちょっと待ってください。

この制度を取り入れるには、先程言った通り、十分な説明と管理職の方々の、しっかりした理解が必要です。

それに、社会保険料の負担が減ると言うことは、将来貰う年金の額が、わずかとは言え減る事を意味します。

また、万が一病気をして働けなくなった時の、生活保障である傷病手当金の額が、減るというデメリットもあります。

導入には、ひとりひとりのシミュレーションをして、メリット・デメリットを十分に理解して頂いたうえでないと危険です。

もし、本気で取り組むおつもりなら、先に相談をしてくださいね。

(^ム^) 解りました。相談します。

それにしても、先生の話は本当にマジックのようですね。

アッツ、もうこんな時間ですか。
この後お客さんと約束があるので、また来ます。

では、美咲ちゃん又ですね。

§*_*§ ハーイ。

§*_*§ 先生、どうして年収が変わらないのに、こんなに差が出るのですか。

( ^u^ ) それはですね。保険料の料額表は、高額の等級に成る程、負担が大きくなっているからなのです。

保険料の料額表には、まだまだマジックが隠されているので、またお話しましょうね。

§*_*§ ハーイ。でも、ちょっと不思議…。ブツブツ…。
12年11月16日 21時06分35秒
Posted by: kitakyushu
『名ばかり管理職』と言う言葉を世に知らしめた、日本マクドナルド事件を契機に、労働者保護の機運が高まりました。

そして、時間外労働の削減と年次有給休暇の活用を謳った、改正労働基準法が施行されました。

テレビ等で弁護士や司法書士が流している『過払金返還請求』のCMを、見た事が有ると思います。

武富士をはじめ、ひと頃、飛躍的な成長を続けていた消費者金融会社が、軒並み返還請求の拡大で窮地に陥ったのは、記憶に新しいと思います。

実は、彼等が次の収入源として狙っているのが、『未払賃金訴訟』なのです。

未払賃金の訴えを起こした場合、建前論で法令順守を訴えれば、ほぼ100%訴訟に勝てます。

彼らにとって、法令に照らして未払が確認できれば、これ程楽な訴訟はないのです。

うちの会社は大丈夫と対岸の火事の様に捉えている経営者の皆様、本当に大丈夫ですか。

未払い賃金の時効は2年です。

例えば、月額給与20万前後の社員の場合、時給に直すと1,200円程度になると思います。
1,200円の時給の社員の残業手当は、割増25%を加えて、1,500円になります。

月30時間の残業代を未払の場合、月45,000円の未払が発生して居る事になります。
45,000円の未払が、2年分つまり24ヵ月分遡及されると、108万円です。

時給は払っていました。割増分だけが未払でした。
と言う場合でも、216,000円の未払額が発生します。

こんな状況が発生して、一人の従業員が訴訟に持ち込んだ時、どうなるとお考えですか。

その事を伝え聞いた他の社員も、自分も欲しいと思うはずです。

その波及が、20人に及べば20倍、つまり未払額は2,160万に膨らみます。

未払賃金訴訟の怖さは、これだけではありません。

訴訟となれば、原告は付加金の支払いを求めてきます。
つまり、未払額と同額の付加金上乗せを要求してくるのです。

108万円は、この時点で、216万円になる事が考えられます。

さらに、未払の発生した時点に遡り、年利6%が加算されます。
退職社員の場合、退職後は金利は14.6%に膨らみます。

●残業代をカットしている(サービス残業)
●残業代の上限制を取っている
●課長は管理職だから残業代は払ってない  
●始業・終業と出社・退社の区別を明確にしてない
●残業代は30分単位、端数はカットしている
●基本給だけを、残業代計算の単価にしている
●残業の指示はしてないから支払義務はない
●就業規則はインターネットでダウンロードした 
●数年前に作った就業規則を使用している  
●そもそも就業規則を持っていない、周知してない

ひとつでも思い当たる経営者の方は、ご相談ください。
大きな、潜在リスクを抱えているかもしれません。

中谷社会保険労務士事務所では、賃金未払訴訟のリスクを回避する為、
12の対策を用意して、アドバイスさせて頂いています。
12年11月09日 12時58分39秒
Posted by: kitakyushu
( ^u^ )  初めまして、社会保険労務士の中山です。
見かけは若いですが、これでも55歳になりました。
長らくサラリーマンをして居たのですが、
一念発起して社会保険労務士になりました。
毎日、沢山の中小企業の経営者の皆様と、
ご相談させて頂きながら、色々な勉強をさせて頂いています。

§*_*§  中山社会保険労務士事務所の新人スタッフ美咲です。
中山先生と私の父が、古くからの友達で、そのご縁で中山事務所に入りました。
少しおっちょこちょいですが、明るさと笑顔が私の取り柄です。

(^ム^) 地元で車関係の小さな部品工場を経営している、山田です。
中山先生と同じ町内に住んでいたのが縁で、
時々中山事務所に寄って相談に乗って もらっています。
実は、美咲ちゃんが来てからは、回数が増えています。
趣味は、ゴルフです。関係ないですか。ハッハッハ・・・。

こんな三人で,説明をして参りますので、よろしくお願いします。

§*_*§ 「先生、また新しい本を、お作りになったのですか。」

( ^u^ )「いやー、今回は本って言うか、ちょっとしたマニュアルってとこですよ。」

§*_*§ 「ちょっと見ても良いですかー。“社会保険料適正化マニュアル”・・? 
難しそうですね。何に使うのですか。」

( ^u^ )「美咲ちゃんは給料をもらった時、引かれ物が多いな~って、
感じた事はないですか。」

§*_*§ 「勿論、いつも思っていますよ。でもそれって仕方ない事なのでしょう。」

( ^u^ )「そうですね、引かれ物にはそれぞれ理由が有りますから、
ある程度仕方ないとも言えますね。
只、これからも更に引かれ物は増えて行くとしたら、
何とかしたいと思いませんか。
ましてや会社は、従業員全員が払っている社会保険料と
同じ額を負担しています。
従業員の方の数に依っては、何千万円、
何億円もの社会保険料を負担しているのです。」

「特に健康保険料や厚生年金保険料は、年々その負担が増えています。
これには理由が有って、
日本の年金制度が、“世代間扶養方式”と言う考え方を取って居る事が、
影響しているのです。
つまり、その時代の高齢者への年金等の給付費用を、
その時代の現役世代の負担で、賄おうと言う考え方なので、
高齢者世代の人口と現役世代の人口のバランスで、
負担が大きく変わるのです。」

§*_*§ 「そう言えば3人の若者で、お一人のご老人を賄う時代って
聞いた事があります。」

( ^u^ )「さすが美咲ちゃん、よく知っていますね。」

「日本の高齢者の増加スピードは、世界の先進国の中で、
例を見ない程急速なのです。
実は既に3人でお一人を支える時代は過ぎて、
今や2人でお一人を支える時代に向かっているのです。」

「この様な高齢化の急速な進展は、年金財政の逼迫を招きます。
その事が社会保険料の高騰を招き、保険料の確保に躍起となる、
行政庁の指導強化に繋がり、
更に、この事が企業の収益を圧迫しているのです。」

「現在、福岡県の厚生年金保険料は16.766%、健康保険料は10.12%、
さらに介護保険料1.55%と合わせて、28.436%もの社会保険料を、
労使折半で負担しているのです。
1億円の給与を払う時に、別途、約1,400万円もの社会保険料を、
会社は払っているのです。
近い将来その負担は1500万円になり、将来は1800万円になると
言われています。」

§*_*§ 「ワー、社長さんって、大変なのですね。
何とかなるなら、何とかしたいですよね。」

(^ム^) 「やあ美咲ちゃん。今日は。」

§*_*§ 「あっ、山田社長さんいらっしゃい。社長さん、今日もお元気そうですね。」

(^ム^) 「アッハッハ・・・カラ元気、カラ元気、
これで結構悩んでいたりするのですよ。」

§*_*§ 「エー、社長さんにも悩みがあるのですか。
社長さんの悩みって、どんな悩みなのですか。」

(^ム^) 「ハッハッハ・・・実はネー、税金や保険料の負担が重くて、
悩んでいるのですよ。」

( ^u^ )「アッ山田社長、楽しそうですね。
実咲ちゃんと何の話をしているのですか。」

(^ム^) 「ハッハッハ・・・税金や保険料が高くて経営が苦しいって、
話をしていたのですよ。」

( ^u^ )「山田社長の会社は、社員さんが28人でしたね。
ざっとお給料は年間1億円と言う所ですね。
健康保険料と厚生年金で今年は、1,400万円と言うところですね。」

「節税の方は税理士の先生にお願いしているでしょうから、
社会保険料の節減の話をしましょうか。」

「実は、節税と同じ様に、社会保険料の負担を軽くする方法も、
幾つかありますよ。」

(^ム^) 「エッ、本当ですか先生。そんな事が出来るのでしたら、ぜひ教えて下さい。」

( ^u^ )「今年、社長の会社の社会保険料は1,400万円と言いましたが、
実は近い将来1,500万円になり、更に1,800万円になると言われています。」

    「むしろ早めに対策を考えて、社会保険料をある程度コントロールする事は、
どの会社にも重要な課題なのです。」

「税金は、行政サービスの名の元に、国が一方的に課する物ですから、
社長も含めて節税対策には、皆さん熱心です。
ところが、社会保険料に付いては、最初から諦めて手を付けてない
経営者の方が多いようです。」

(^ム^) 「先生、今日は良い話を聞きました。
よし、これからは“社会保険料節減の鬼”になるぞー。」

( ^u^ )「ハハハッ社長、ちょっと待ってください。
社会保険料には給付と負担の関係と言う側面があります。
下手に節減に偏ると社員のモチベーションを下げて、
業績低下を招く事もあります。
そんな事になったら、本末転倒です。慎重に対策を考えましょう。
それに、最近は行政指導も強化されていますから、
行き過ぎた節減対策には、注意が必要です。」

「今から幾つかの対策に付いて説明しますので、
バランスの良い節減対策を実行しましょう。」

(^ム^) 「ウォッ、“社会保険料節減39の対策”ですか。
これが先生の言う、社会保険料節減の方法なのですね。
それにしても色々あるものですね。」

§*_*§ 「本当、沢山ある。でも、どれも意味がよく解らないわ。」

( ^u^ )「ハッハッハ、美咲ちゃんには、これから勉強してもらう事ばかり
だからね。」

 「実は、どの節減方法にも、根拠になるルールがあって、
それさえ理解すれば、そんなに難しい事ではないのですよ。」

§*_*§ 「でも難しそう。」

(^ム^) 「そう難しそう。先生、私にも解るように、噛み砕いて説明お願いしますよ。」

( ^u^ )「はい、解りました。ひとつひとつ説明しますので、大丈夫ですよ。」

「では、始めますよ。
お二人は“保険料額表”って、聞いた事がありますか。」

§*_*§ 「先生、私はあります。
健康保険料や厚生年金保険料の早見表みたいな物ですよね。」

( ^u^ )「そうですね。まさに早見表です。
その早見表に実は沢山のマジックが隠されて居るのです。」

(^ム^) 「へえー、マジックかー、何か楽しそうですね。」

( ^u^ )「この料額表には、標準報酬等級と言うのがあって、
その等級毎に報酬月額が決められて居ます。
例えば美咲ちゃんの社会保険料は、実際に美咲ちゃんが受け取っている
給与、つまり“報酬月額”ではなくて、
“標準報酬”に一定の保険料率を掛けて計算します。」

§*_*§ 「どうして、そんな面倒臭い事するのですか。
そのままお給料に掛ければ、良いのに。」

( ^u^ )「でもですねーそうすると、ひとりひとり、大なり小なり金額が
細かく違う訳だから、それこそ大変なのです。
そこで、幾ら~幾らまでは、“標準報酬”幾らにしますって決めて、
それに保険料率を掛ける事にしたのです。」

「幾ら~幾らが“同じ標準報酬”になるという事は、給与が一定額違っても、
同じ保険料になる事を意味しています。
ここに、最初のマジックが潜んで居るのです。」

§*_*§ 「つまり、私より沢山給与をもらっている人も、
私と同じ保険料の場合があるって事ですね。」

( ^u^ )「さすがは美咲ちゃん、察しが良いですね。
その他保険料額表には、上限・下限が有ったり、
そもそも、保険に入らなくて良い人がいたり、色々なマジックがあるので、
これから例を挙げながら、説明して行きますから、聞いて下さいね。」

「では、最初に書いてある“入社時の給与に気を配る”の件ですが、
まずこちらをご覧ください。」

§*_*§ 「アッ、さっき先生が言っていた“保険料額表”ですね。」

(^ム^) 「ホウッ、これが早見表と言うやつですか。しかし細かい数字ですね。
先生、老眼の私にはちょっと辛いですよ。」

( ^u^ )「アッ、すみません。社長には拡大コピーをすれば良かったですね。」

§*_*§ 「社長さん、この表のどこにマジックが有るのか、楽しみですね。」

(^ム^) 「そうだね、美咲ちゃん。楽しみ・・楽しみ・・?」

( ^u^ )「細かい数字は後で拡大するとして、この表の見方を説明しますので
聞いて下さいね。」

「まず、タイトルですが、
『平成24年9月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表』と言います。

その下に細かい字で適用期間が書いてありますよね、
良く見ると厚生年金保険料率だけが、
平成24年9月分~平成25年8月分となっています。」

(^ム^) 「ウワッ、細かい字ですね。どれどれ・・・
確かに厚生年金だけがそうなっていますね。」

§*_*§ 「先生、どうして厚生年金保険だけがそうなって居るのですか。」

( ^u^ )「実は、厚生年金保険の料率は、毎年9月に0.354%ずつ引き上げられて、
平成29年の9月からは18.3%にする事が、もうすでに決まっているのです。
そこでこの表にも、今の料率は今年の9月からですよって、
断ってあるのです。」

(^ム^) 「ウヘッ、そんなに高くなるのですか。
ウーン・・またまた悩んでしまいますよ。」

( ^u^ )「実は、健康保険料も毎年の様に上げられています。
このふたつの保険料は、負担料率が大きいですから、本当に大変なのです。」

「保険料額表は、各県毎に作られています。
この保険料額表は、福岡県の物なのですが、
全国的に見ても負担率は大きい方です。」

「表の左上が“標準報酬”に成っています。
“標準報酬”は、健康保険が1等級~47等級、
厚生年金保険料が1等級~30等級に分かれています。
ちなみに厚生年金保険料の1等級は健康保険の5等級に当たります。」

「その横が“報酬月額”です。
つまり美咲ちゃん達が、実際に受け取っている給与の額です。
標準報酬等級毎にこの様に幅が決められています。」

§*_*§ 「この給与の幅に入る方達が、同じ標準報酬等級となって、
同じ額の保険料を払うのですね。」

( ^u^ )「その通りです。その右には、健康保険料の料率と厚生年金保険の料率が
あります。     
ご覧の様に、健康保険は“介護保険第2号被保険者”に該当する人と
それ以外の人、厚生年金保険は一般の方と坑内員・船員の方で保険料率が
違います。」

§*_*§ 「結構、複雑な決まりが有るのですね。」

( ^u^ )「そうですね。では、この表の事を頭に浮かべながら
“マジック1.初任給・・・”をご覧ください。」

「A社は初任給25万で新入社員を採用しました。
B社は初任給24万9900円で新入社員を採用しました。」

(^ム^) 「たった100円の違いではないですか。」

( ^u^ )「その100円の違いに付いてですが、美咲ちゃん、
さっきの保険料額表では25万円は、標準報酬幾らに成っていますか。
それと、24万9,900円は如何ですか。」

§*_*§ 「先生、A社の方は標準報酬26万円です。
B社の方は、24万円ですから2万円も違います。
先生、それぞれこの金額に保険料率を掛けて、保険料を計算するのですか。」

( ^u^ )「そうなのですよ、実は既に計算した数字が、
それぞれの覧に書いてあるでしょう。
A社の新入社員の健康保険料は、月額13,156円、
厚生年金保険料は21,796円です。
それを1年分にするとA社の新入社員の健康保険料は、
419,424円となります。」

「一方、B社の新入社員の健康保険料は、月額12,144円、
厚生年金保険料は20,119円ですので、年間では387,156円です。
僅か100円の報酬の差で、等級が変わり、年間32,268円の負担の差が
生まれました。」

    「会社は32,268円の負担増に成り、同様にA社の新入社員は手取りが、
その分減る事に成ります。」

「わずか100円の違いですけど、等級が変わるとこんなに差が出ます。
初任給を決める時に、この違いを意識して、わずかの違いなら、
等級の低い方に入る様にすると、本人の手取も増えますし、
勿論会社の負担も軽減できます。」

「山田社長の会社では、今年は新入社員を、3人採用の予定でしたね。
もしかしたら約10万円の保険料の差がでるかも知れませんよ。」

(^ム^) 「こりゃー、うちも初任給を下げなければいけませんね。」

( ^u^ )「いや社長、その他の手当の事も有りますから、簡単ではありません。
慎重に検討して決めなければいけないのですが、
その辺りは今度ゆっくり説明させて頂きますね。」

(^ム^) 「解りました。その時には、他の社会保険料節減マジックも聞かせてください。
こりゃー、楽しみが出来たな。近日中にまた来ます。
では、美咲ちゃんも、さよなら。」

…次回をお楽しみに…中谷社会保険労務士事務所でした。
12年11月07日 14時25分23秒
Posted by: kitakyushu
社会保険料は、毎月、光熱費のように
銀行の指定口座から自動引き落としされていますので、
実際にいくら納めているのか、
今迄あまり気にしたことは無いかも知れません。

ところが、顧問契約いただいている企業の社長様に、
1年間に納付した社会保険料の額をお知らせすると、
ほとんどの社長さんは「そんなに~・・・」となります。

例えば、年収500万円の社員を20人雇用している会社の場合、
1年間に納める社会保険料は、2,800万円を超えます。

2億円払えば、5,600万円、
10億円なら2億8千万円です。

節税と言う言葉はよく聞きますが。
ある意味それ以上に重要な社会保険料の節約。
御社は、あきらめていませんか。

社会保険料は労使折半負担ですので、
会社の負担額は、前述の企業で1,400万円です。

この会社が負担した社会保険料で、
年収350万円の社員を更に4人雇うことが出来てしまいます。

例えば、福岡県の場合、
健康保険料率は介護保険料率を含めて11.67%です。
しかも、毎年春を迎えると、大幅にアップされています。

厚生年金保険料率は、年齢に関係無く16.766%です。
ただし、厚生年金保険料率は平成29年迄、
毎年0.354%ずつアップしていくことが決まっています。

(平成29年以降は18.3%に固定される“予定”です。
本当にそうなるのか、現時点では分かりません。)

つまり、報酬の28%を上回る社会保険料を、
毎月さらに賞与支給の都度、
政府に納めていることになるのです。

このように労働保険料と比べて桁違いに高額な社会保険料ですが、
ちょっとした“工夫”をするだけで、
年間で100万円単位の社会保険料を節約出来る場合があります。

先日、ご夫婦で役員になっておられる企業様で、
年収の合計を変えずに、
役員報酬の配分を見直していただき、
年間、73万円の社会保険料を
節約して頂きました。

無論、ご夫婦は大喜びです。
『もっと早く、先生とお話しできれば良かった。』
と、言って頂きました。

当事務所は、社会保険料の節減対策を
39通り持っています。

次回から、ご紹介して行きますので、
第2回以降をお楽しみに!!
12年11月01日 16時24分47秒
Posted by: kitakyushu
早いもので、今年も11月に入り、朝晩は肌寒さを感じる日々です。ほんのこないだまで「暑い。暑い。」と言っていたのが、ウソのようですね。
ところで、御社では、営業秘密情報の保持や競業避止について、対策をとっておられますか。
インターネットや電子メールなどの情報伝達システムが普及し、携帯電話やパソコンがあれば、あらゆる情報が瞬時に取得できる時代に成りました。
そして、その事は、御社と利害関係にある企業を含め不特定多数の人々に、機密情報が一瞬にして拡散するリスクをもたらす事に成りました。
経営者は、従来の企業経営では考えられなかった危険に、常にさらされる事になったのです。
当事務所では、多くの中小企業様から就業規則の見直しに付いて、ご相談を戴いていますが、企業秘密情報管理規程を作成してほしいと言うご依頼を戴く機会が増えています。
12年11月01日 09時08分02秒
Posted by: kitakyushu
さすがに11月。グッと冷え込む日が増えて来ましたね。樹木も紅葉をはじめ美しい季節でもあります。
先日、複数のお取引企業様で、出産で退社してゆく有能な女性社員に付いて、対策は無いかご相談を受けました。
いずれの企業様も、出産育児に付いては、出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付金などの給付金のある事に加え、出産育児で休業する従業員にかかわる助成金制度がある事をご存知ではありませんでした。
出産育児で退職した女性も、育児が一段落すれば、多くの場合社会復帰しています。
そして多くの場合、以前より低い待遇に甘んじています。
会社にとっては、みすみす有能な社員を他社に奪われ、ご本人にとっては冷遇に耐える結果になって居ます。
育児休業期間は会社も従業員も、負担の大きい社会保険料は免除されます。産前産後の休暇中もこれに倣うことが、本年8月に決定しました。会社に籍を残すためのコストは、高くはありません。
出産イクオール退職の必然性は無いと思います。出産育児期間を休業して頂き、一段落して仕事に復帰して頂ければ、会社もご本人も好都合なのではないでしょうか。
出来れば、休業中および復職後の諸制度を用意して、復職を容易にするようにすれば、ご本人のやる気と共に、彼女に続く女性社員のモチベーションは大きくアップし、会社の業績向上に寄与すると思います。また、対策によっては雇用保険から助成金が支給されます。もし、出産退社が恒常化しているのなら、検討されてはいかがでしょうか。
    ◇◆◇北九州で働く、気のいいおじさん社労士の伝言板◇◆◇
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