公益財団法人「介護労働安定センター」は16日、

2012年度の介護労働実態調査の結果を
発表しました。

それによると、介護職員の離職率が17%と、
前年比0.9%増だったとの事です。

調査結果によると、

労働条件の不満第1位は「仕事内容のわりに賃金が低い(43%)」、

第2位は「人手不足(42%)」、

第3位は「有給休暇が取りにくい(36%)」でした。

他業種よりも給与水準が低い中、
施設間での待遇面での差が、人財定着のカギとなると言えそうです。

いっぽう同調査では、
「仕事を選んだ理由」について、

「働き甲斐のある仕事だから」が54.9%と1位になって居ます。

職員の「やりがい」「働き甲斐」に応えられる労働環境の構築が、
職員の定着につながる重要なポイントと言えそうです。

ただ、「現在の介護報酬では
人財の確保・定着のために十分な賃金を支払えない」

とする施設も46.4%あり、
介護保険を財源とせざるを得ない、施設経営の難しさが浮き彫りになっています。

 厚生労働省・中央最低賃金審議会は、
今年度の最低賃金の引上げ額の目安10~19円(全国平均14円)とすることを
決定しました。

これに関連し厚生労働省は、
最低賃金引上げの影響を受ける中小・零細企業への支援策として、

社員の給料を引き上げた企業に対し、
設備投資などに使える助成金を、

最大100万円支給する制度を創設する方針を示しています。

最低時間給を40円以上引き上げることなどが条件で、
来年度予算の概算要求に盛り込む予定です。

 実は、介護事業は成長分野に指定されており、
他の業界に比べ、手厚い助成金が用意されています。

また、人材育成に熱心な事業所の定着率は、
そうでない事業所に比べ、高い数値を示しています。

この助成金を活用して介護職員の待遇を改善すると共に、

教育訓練関連の助成金を活用して、
計画的な人材育成を図り、

介護職員の「やりがい」「働き甲斐」に応えられる事業所作りをする事が、
今、求められています。