労基法改正に伴う代替休暇と割増賃金に関する問い合わせがあったので、急遽、予定を変更してその企業に訪問してみました。
その企業は、見込割増賃金制(固定残業代制)であり、かつ見込割増賃金に不足が発生した場合には、昔しからその企業独自の計算式で計算した割増賃金を支払われていました。ここまでで、これはかなり厄介な質問になるナ!!と判断しました。
しかし、色々とお話しをしていると、年次有給休暇が労使協定を締結すれば時間単位で取得できるようになることから、代替休暇も時間単位で取得できるものと勘違いされていることが解りました。代替休暇は1日または半日単位ですヨとお伝えしたらビックリされていました。
そして、見込割増賃金(固定残業代)から①法律に従って計算された残業代、②深夜労働割増賃金、③法定休日労働割増賃金を控除し、更に④今回の法改正で必要となった60時間超の労働に対する上乗せ割増賃金を控除して、その額と自社オリジナルの計算に基づく割増賃金とを比較し、多い額の方を割増賃金として支払おうとしていましたから、聴いている私も何が何だか分からなくなり始めました。
こんなときは、シンプル イズ ベスト と考え、出来るだけシンプル化して考えるようにしている私は、まずお金で支払わなければならない「従来からの割増賃金」と見込割増賃金とを比較し、そこで余剰が発生していたら、今回の法改正で必要となった上乗せ割増賃金からその余剰額を引いた額が代替休暇の対象となり得る割増賃金額だから、まず「お金で支払わなければならない割増賃金」を確定させ、次に「代替休暇の対象にもできる上乗せの割増賃金」と2段階で比較するように勧めました。
そうした処、よく理解できたらしく、感謝されました。相手の頭の中を整理するだけで済んだから短時間の説明で済み、私も思いよりも早く予定のスケジュールに戻れることができました。
この企業、いずれ近いうちに自社オリジナルの割増賃金計算式を廃止しないと割増賃金計算を複雑化してしまうだろうナ!!と思いました。
しかし、これからこんな質問が増えるのだろうナ・・・・!!