2009年 10月の記事一覧
~事例に見る労務管理の必要性 Vlo-1~
今回から始まりました、社長様必見!!の困ったさんの従業員をいかに減らし、みんなが働きやすい職場環境作り、労務管理の重要性を事例を用いてわかりやすく説明していきます。
今まできちんとした職場環境作り、労務管理を怠っていた為に困ったさんの従業員がよく労基署や市の無料相談窓口などに駆け込んで、労基署から連絡があるケースは最近では珍しくありません。最近の雇用情勢の悪化で経営状況が厳しくて従業員を解雇した当日に従業員は労基署へ駆け込んでしまうことは、しばしば。
でも、中には例えば入社したときから他の従業員や取引先のお客さんとトラブル起こしてばかりの従業員に対してもきちんとした順番を踏まず、明確な理由もなく簡単に解雇したりすると後々大変なことになります。
さて、今回から数回に分けて会社と従業員の間でトラブルになりやすい「解雇」について事例を用いて説明していきます。
~「解雇」って!?~
先ず、事例に入る前に「解雇」の法律上の位置付けについて説明していきます。
解雇は、皆さまご存じの通り会社が一方的に従業員の「クビ」を切ることです。でも一口に解雇といっても色々な種類の解雇があるんですよ。
1、従業員の勤務態度が悪いなどを理由とする「普通解雇」 2、従業員が会社のお金を横領したり、飲酒運転で逮捕されたなど会社の職場の決まりごとなどを守らないことを理由とする「懲戒解雇」 3、会社の経営状況悪化による「整理解雇」 |
~解雇するにも法律で規制されるんです~
解雇するにも法律で制限されています。具体的には、以下の通りです。
①解雇権濫用の禁止(労働契約法16条) ②解雇予告の義務付け(労基法20条) ③一定の状況に置かれた従業員の解雇の禁止(労基法21条) ④女性が妊娠したことなどを理由とする差別的解雇の禁止 |
☆①解雇権濫用の禁止(労働契約法16条)とは?☆
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇の権利を利用したものとして無効とする |
なんだが、難しいことを述べましたが、つまり「きちんとした理由もなく、解雇をしたりしたらダメよ」ってことです。解雇するのも口頭で言ったりしたら言った言わないの水かけ論になるので、解雇を言う場合は文書で行った方が良いです。
そこで気になるのが<解雇するにはどんな内容の文書を書けばいいの?>ということです。
具体的には、以下の文面で書いてみましょう。
平成○○年○月○日 ○○○殿 ○○株式会社 代表取締役○○○ ㊞ 解雇予告通知書 貴殿を平成○○年○月○日をもって解雇することを通知いたします。 <解雇理由> ---ここには一般的に解雇理由に該当する就業規則の該当条文を記載します----
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解雇理由の欄に、一般的には就業規則の該当条文を記載しますが、ただ単に明確な根拠になるものがなく解雇理由を書いただけでは、「自分は何を根拠に解雇されたのか?」と疑問に思います。そのとき、会社に就業規則がなければ従業員に対して明確な対抗措置がないまま解雇を主張することになります。それは会社にとってとても危険な状態です!
「就業規則なんてなくても平気~」と思っていては、大変なことになります。
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次回は「②にある解雇予告の義務付け(労基法20条)」について説明していきます。