2014年 5月の記事一覧
無期雇用転換社員(労働契約法18条)対応の労務管理のポイントについて
1.無期転換社員の労働条件は「別段の定めがない限り」、
有期契約時の労働条件と同一のものとなる。
例えば、有期労働契約では、定年制がないのが通常であるから、
無転換社員は、定年制がないことになってしまう。
この場合に労働契約の終了は、自己都合か合意解約、解雇が考えられるが、
合意解約、解雇となると、合意しない、解雇無効等が考えられ、会社のリスクが高くなる。
よって、会社としては無期転換社員に「定年制」を設けるなど、
「別段の定め」を検討する必要がある。
2.また、従来の正社員・パート・有期契約社員・嘱託・アルバイト等と
無期雇用転換社員の区分を明確にしておく必要がある。
区分があいまいであると、無期転換社員がどの就業規則の対象となるのか
お互いに不明確となり、労使トラブルのリスクが高くなってしまうからである。
3.最後に、会社のルール、すなわち就業規則全体として矛盾点がないか、
整合性があるかのチェックが必要である。
さらに、例外をつくらないことが肝要であり、例外を作るのであれば、
但し書きで記載しておくことである。
根拠のない例外は、規定自体が無効となってしまうリスクがあるからである。
無期雇用転換についての詳細は↓
無期労働契約への転換
労働契約法改正により、第20条では、有期契約者と無期契約者で
職務内容、責任の程度、配置変更等を考慮して、不合理な労働条件の相違を禁止としている。
とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理等については、
特段の理由がない限り合理的とは認められないとしている。
ただし、、通勤手当であったとしても、無期社員は転勤があったり、遠方通勤が想定されるが、
有期社員は地元採用が基本であり、勤務地限定で、徒歩や自転車通勤を想定し、
通勤手当はかからないということであれば、差異は許されるとされている。(厚生労働省見解)
個々の労働条件によって判断されるとあるので、一概には判断できないが、
会社としては、説明できるようにしておくことである。
労働契約法第20条の詳細は↓